公開中の映画『寝ても覚めても』で主役を演じた東出昌大さんと監督の濱口竜介さんがラジオ関西(神戸市)の番組「シネマクエストラジオ」のインタビューに答えた。
芥川賞作家・柴崎友香による同名恋愛小説を映画化した『寝ても覚めても』は今年のカンヌ国際映画祭でコンペティション部門に正式出品された。二人の同じ顔をした男とその間で揺れ動く女の物語。主演の東出昌大さんは、同じ顔をしていながらも全くタイプの違う男・亮平と麦(ばく)という一人二役に挑んだ。そして、前作『ハッピーアワー』でロカルノ、ナント、シンガポールはじめ数々の国際映画祭で主要賞を受賞し、その名を世界に轟かせた気鋭の濱口監督がメガホンを取った。濱口監督自身にとっては今回が初めての商業映画作品となる。ヒロイン・朝子は新星・唐田えりかが演じた。
カンヌの会場で外国記者から「この作品はホラーなのか?」と聞かれた濱口監督は「愛というのは一種の狂気。その狂気性が映った結果だとすれば、そういう感じ方もいいかもしれない」と答え、「自分たちの生活と地続きの日常的な話だが、何らかの異界性があるように感じてもらったのは面白い」と話した。
また主演の東出昌大さんは「この作品は人ごととは思えない。日常の空気と近しいものを感じるからこそ、怖い、疼きのようなものを感じる。『いろいろあったけど一生続く愛を生きていきます』、というような話ではなく、愛には残酷な面もあることを劇場で体験してください」と、リスナーにメッセージを送った。
※東出昌大さんと濱口竜介監督のインタビュー音声は番組公式ブログで聴取できる。