暑い夏の時期に食べたくなるカレー。おうちで簡単に楽しめるのも魅力だが、そんなときに頼りになるのが、カレールウ(ルー)だ。
カレールウを作っている会社のなかで、スパイスの調合から行っている数少ない会社の1つが、株式会社キャニオンスパイス(大阪府泉南市)。同社の島岡祐輔さんに、カレールウへのこだわりなどについて話を聞いた。
島岡さんによると、キャニオンスパイスがスパイスの調合から行えるのは、「創業当時から30年以上、スパイスを専門に扱ってきたからこそ」。カレールウに使われるスパイスは数十種類にも及び、これらのスパイスを独自の配合でブレンドし、深く焙煎するところから同社のカレールウづくりが始まる。
市販されているカレールウの中には、様々な食品添加物が使用されているものもあるが、キャニオンスパイスは化学調味料や乳化剤、香料は使っていない。乳化剤も使わないため、製造はよりシビアに、温度や湿度に気を配る必要があるが、「よりおいしいものを作ろうとした結果、食品添加物をあまり使う必要がなかったんです」(島岡さん)。
同社のカレールウは、様々な世代と幅広いカレー好きを楽しませる工夫もされている。
例えば、同社の『かぞくのためのカレールウ。甘口』は、「子ども用のカレールウを卒業したお子さんから、刺激のあるスパイス感が苦手な大人まで、幅広く楽しめる」というルウ。オリジナル配合のスパイスに、北海道産小麦粉、北海道産バター、天日塩などを加え、果物と野菜のやさしい甘みや、チキンとビーフのコクをプラスしている。島岡さんおすすめの具材は、牛肉・玉ねぎ・にんじん・じゃがいもなどの“王道”の具材。スパイス感がありながら、甘ったるくないということで、キャニオンスパイスの社員にはこの商品が一番好きだという方もいるそうだ。
『かぞくのためのカレールウ。甘口』とともに、同社の人気商品となっているのは『エクセレント!!カレールウ(サフラン)』。これは「キャニオンスパイスで最高のカレールウを作ろう」と開発された商品だ。カレールウ自体にも30種類のスパイスが使われているうえ、さらに、辛味スパイスが別でついているので、お好みで辛さの調整もできる。さらに、「サフラン」の小袋が添付されているため、おうちでぜいたくにサフランライスを楽しめる。サフランは、開花したサフランの花のめしべを摘み取って乾燥させたスパイスで、収穫は手作業でしかできないため、とても高価なもの。「すごく繊細なため、袋詰めする時も、一つひとつピンセットで行ってるんですよ」(島岡さん)。