長野県と富山県をつなぐ、標高3,000メートル級の峰々が連なった世界有数の山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」。その長野県側の玄関口となっている大町市では、いま、芸術やスイーツをテーマにした、秋を堪能できるイベントが開催されている。
◆「北アルプス国際芸術祭 2020-2021」
“水・木・土・空~土地は気配であり、透明度であり、重さなのだ~”をコンセプトに、11の国と地域から38組のアーティストが参加し、39点のアート作品(うち、パフォーマンス5点)が出展されている、「北アルプス国際芸術祭 2020-2021」。大町市内全域を「市街地エリア」「ダムエリア」「源流エリア」「仁科三湖エリア」「東山エリア」の5つに分けて、各エリアに散りばめられた芸術作品を楽しむことができるほか、信濃大町の特徴的な「場」を活かした演劇やライブなどのパフォーマンスも展開される。
アート作品の一例では、市街地エリアにあるのが、「ウォーターランド-小さな大町-」(作:原倫太郎+原游)。廃校となった旧大町北高校に展示されている、信濃大町の大自然、四季、動物、建物、人々の生活などをミニチュア化した、体験型の作品だ。
源流エリアの「アキノリウムinOMACHI」(作:松本秋則)は、影絵や竹を素材としたサウンドオブジェの作品で、信濃大町の自然をテーマに水が滴る池などの原風景を表現。昔、酒造りに使われた酒樽や道具、全国の酒を展示していた大町温泉郷にある「酒の博物館」が、作品の舞台としてリニューアルされている。
東山エリアにある「目」(作:クリエイティブチーム「目」)は、鷹狩山山頂から望む圧倒的な北アルプスと信濃大町の風景を見るために構想された作品。白い曲線につつまれた空間を進むうちに北アルプスと大町市街を見渡す景色に突如出会う。