女子サッカーのINAC神戸レオネッサは10日、WEリーグ第5節で日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下、東京NB)とホームのノエビアスタジアム神戸で対戦し、1-0と勝利。開幕から4連続無失点勝利を達成した。
INAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)の10月11日放送回では、番組パーソナリティーの元Jリーガー近藤岳登、“関西の朝の顔”赤﨑夏実(INAC神戸応援大使)、女優で現役女子高校生の寺田光の3人が、リスナーのメッセージとともに試合を振り返った。
『L・クラシコ』と称される、なでしこリーグ時代からの伝統の一戦。なでしこジャパン(日本女子代表)のメンバーが多く揃う両者の対戦は、巧みなボール回しやハイプレスで主導権を握る東京NBに対して、序盤から劣勢が続いたINAC神戸。それでも、古巣対決に燃えるGK山下杏也加選手の好セーブなどでピンチをしのぐと、前半終了間際には同じく元東京NBのFW田中美南選手がクロスバー直撃の惜しいシュートを放つなど、徐々に好機も作る。後半、メンバーやポジションを変えながら反撃に出たINAC神戸は、76分、待望の先制点を獲得する。
右サイドに抜け出したMF成宮唯選手からの落としを、直前に右サイドにポジション変更していたFW髙瀬愛実選手がダイレクトで狙う。クロスのようにも見えたボールは、GKの頭上を越える絶妙なシュートに。このゴールが決勝点となった。
近藤や赤崎は「(得点のとき)スタジアム全体の空気感が一気に変わったよね」と興奮。番組リスナーからも「ループのようなシュート最高でした」「鳥肌が立った」「決まった瞬間心が震えて涙が出そうになった」とたくさんのメッセージが寄せられた。
髙瀬選手は試合後に「チームとしていつも狙っている深い位置にボールが入って、そこからの落としで(シュート場面があり)、分析で相手GKがちょっと前に出てくるよと言われていたので、フォアに、味方もゴールも見ずに、感覚で蹴り込んで、ゴールできてよかった」とゴールシーンを回顧。
このコメントに、近藤は「(分析のうえで)感覚で蹴れるってよっぽど。髙瀬選手は試合前や前日に、試合に関する準備として(相手のことを)頭にたたきこんで、チャンスがあったら狙おうという考えがあったんだと思う。じゃないと打てない」と、周到な用意と抜群のセンスから生み出されたゴールだったことを力説。WEリーグファーストゴールも決めた、2009年からレオネッサ一筋の背番号11を絶賛した。
一方、この試合では、「ベレーザ強かった」と、東京NBの戦いをリスペクトした近藤。「前後半含めてベレーザはワンタッチプレーがすごく多く、INAC神戸の選手はかなり後手後手になった状態でプレーしていて、『ワンタッチって効くな』と思っていた」。
「髙瀬選手のゴール後も、ベレーザは最後までボールをどんどん中に入れてくるし、くさびを打ち込んでくるなか、(最後に)ファウルでPKになるのが怖かった」と、INAC神戸目線での心境を代弁した近藤。それでも、「INAC神戸の選手は落ち着いていた。見ている側より冷静にしっかりボールをアタックできていた」「本当に成長している。勝ち切るって心が強い」と最後まで奮闘し零封を成し遂げたイレブンを称えていた。