指定暴力団「絆会」(旧・任侠山口組)の本部としていた傘下の中心組織「真鍋組」(すでに解散・兵庫県尼崎市) の事務所が、近く民間業者へ売却される。建物は年内にも解体されるという。
尼崎市は2020年11月、発砲事件のあった市内の暴力団関連施設について全国初の行政による買収を決めた。さらに尼崎市内にある絆会の別の拠点事務所も2021年9月に解体され、市内では暴力団の拠点3か所が売却、解体されることになる。兵庫県警によると、県内では2016~2020年の5年間で計25件の事務所が撤去されたという。
絆会は2017年、全国最大の暴力団「六代目山口組」から離脱した「神戸山口組」(いずれも特定抗争指定暴力団・拠点は神戸市)の一部が離脱して発足し、山口組は3つに分断した。
この建物は絆会の本部事務所として使われていたが、住民の訴えを受けた神戸地裁が2018年に使用を差し止める仮処分を決定。それ以降は立ち入り禁止の状態となっている。
関係者によると、兵庫県警や公益財団法人・暴力団追放兵庫県民センターの仲介で交渉が進み、10月15日に民間業者との売買契約が成立したという。なおこの民間業者は反社会的勢力と無関係であることが確認されている。