女子サッカー・WEリーグで唯一の開幕5連勝、無失点と好スタートを切っている、INAC神戸レオネッサ。17日のWEリーグ第6節、ノジマステラ神奈川相模原戦でもホームで1-0と勝利。その試合で今季初ゴールを決めたのが、FW田中美南選手だ。
元Jリーガーの近藤岳登とタレントの赤﨑夏実(INAC神戸広報大使)が番組パーソナリティーを務めるINAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)10月18日放送回では、田中選手のプレーや心境にスポットライトをあてた。
WEリーグ創設前、国内最高峰のなでしこリーグ1部で2016年から2019年まで4シーズン連続得点王に輝き、なでしこジャパン(日本女子代表)でも今夏の東京五輪でゴールを決めるなど実績抜群の田中選手。しかし、日本女子有数のゴールゲッターは、開幕前のケガの影響もあり、WEリーグでの得点が遠い日々が続いた。
自身のWEリーグ4戦目となったN相模原戦でも、15分、19分、40分に訪れた好機を決め切れないなど、イヤなムードも漂った。それでも、41分、自らの右足で暗雲を吹き飛ばす。髙瀬愛実選手がワンタッチでつないだボールを受けると、ゴール前に侵入。「その前に決定的なシーンを外してしまっているので、思いきりシュートの意識を持って打った」。右側から鋭く振り抜いた一撃は、GKのセーブを弾き飛ばし、勢いよくゴールネットに突き刺さった。その瞬間、9番にようやく笑みがこぼれた。
試合後のインタビューで田中選手は、「オリンピック後に(ひざを)ケガして、なかなかコンディションが戻らず、それでも期待して使ってもらっていたが、結果が出ないのは本当にもどかしかった。迷惑をかけているなと(思った)」と、ここまでの苦しい心境を吐露。
この試合では前半だけでシュート7本を放つなど、ゴールにどん欲な姿勢を見せたストライカーは、「今日ゴールを取れたのはよかったが、それよりも反省することのほうが多い。次、しっかり決めるべきところを決めていかないと、これからの戦いに厳しくなっていくと思うので、責任をもってやりたい」と決意を新たにした。
番組のなかで、近藤は、この試合で田中選手が放った、2本のシュートの変化に言及。序盤の好機を外したシュートについては、次のように分析する。「調子がいい時はまずファーストシュートで入る。でもファーストシュートが浮いて、キーパーが止めやすい高さだった。その時点で『ストライカーの感覚としては鈍いな』と思えた。あそこは転がすか、もっと強烈で叩き込むようなシュートで仕留めるんだけど、自分でもわからないうちに『決めなきゃ』というプレッシャーで、なんとなく置きに行ったというのがあったかな」。
一方で、得点を決めたシーンでは、「思い切って行った。(田中選手らしさが)出たよね! ちょっとパスはずれたんだけど、強引に、中を一切見ずに、視線がずっとゴールにいっていたから『あ、こういうのは、強い気持ちがゴールを生んだな』とすごく思った」と、田中選手の振り切ったプレーを称えた。