陸上自衛隊中部方面音楽隊で指揮を務める柴田昌宜隊長(2等陸佐)と、“陸自・中部方面隊の歌姫”として注目を集めるソプラノ歌手・鶫真衣(3等陸曹)さんが、10月28日のラジオ番組に出演。コロナ禍のなかでの演奏活動や、今年9月にリリースしたニューアルバムに込めた思いなどを語った。
新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた約1年半、中部方面音楽隊の活動も制限を余儀なくされた。「音楽隊の演奏会もできるものが少なくなって、できないもの、中止になるものもあったが、音楽隊として何かみなさまに音楽を届けられないかということで、YouTubeで動画配信などを行ったりしていた」と、鶫さん。
それでも、「コロナに負けるな!」と題した中部方面音楽隊のYouTube動画では、鳴尾浜球場(兵庫県西宮市)で収録された「栄冠は君に輝く」の演奏動画が、昨年6月からの配信で150万近くの再生回数を記録。この動画を含めて9本の配信を行うなど、「コロナ禍だからこその新しいことに挑戦できた」と、柴田隊長も前を向く。
その中部方面音楽隊は、約1年3か月ぶりとなるアルバム『Great Harmony~いま大いなる和のもとに~』を9月22日にリリース。「花は咲く【2021ver. 東日本大震災10年に寄せて】」「おくりびと」などの名曲カバーや、「音楽隊からお願いして作ってもらった」(柴田隊長)委嘱作品3曲を含む、計8曲を収録している。鶫さんの透き通るような美しいソプラノボイスは健在で、柴田隊長が指揮する音楽隊の演奏も迫力満点。聴き応え十分の内容となっている。
鶫さんはこのアルバムについて、「『グレイトハーモニー』は、日本語で「大和」という意味がある。日本人の心、価値観、日本人ならではの美しさを伝えられるような曲が、このアルバムに込められている」とコメント。
なかでも、「花は咲く」は、鶫さん自身の自衛隊入隊のきっかけとなった1曲だという。「東日本大震災で災害派遣活動に従事する自衛官の姿を見て、また、この『花を咲く』という歌を聴いたその時期に(自衛隊への)魅力をすごく感じたので。私自身この曲は一番歌っているんじゃないかなというくらい、思い入れがたくさんある曲です」。
また、タイトルと同名の曲は7分以上ある壮大な作品だが、「本当にいま一人ひとりがまさに心をひとつにして、新たなときに歩んでいこう、明日に命をつなげていこうと(いう思いを歌っている)。吹奏楽も本当に華々しく、歌も壮大で、すごく力が合わさった曲になっている」と、鶫さん。その力強い歌唱と演奏にも注目だ。
この9月には半年ぶりにコンサートも開催するなど、徐々に観衆の前での演奏活動も再開している、中部方面音楽隊。12月17日(金)には、今年オープンした姫路市文化コンベンションセンター(アクリエひめじ)大ホールでのクリスマスコンサートも予定されている。詳細については、中部方面音楽隊のホームページに掲載されている。
【「陸上自衛隊中部方面音楽隊」公式HP】
【日本コロンビアHPより「陸上自衛隊中部方面音楽隊 鶫真衣」】
【ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』番組公式ブログより】