兵庫県は、新型コロナウイルスの影響でダメージを受けた観光業への支援策として先行(プレ)実施している「ふるさと応援!ひょうごを旅しようキャンペーン」について、県内の感染状況の改善やワクチン接種率の上昇を受け、11月12日から本格的にスタートさせる。
10月14日からのプレ実施期間中の申込には原則、2回のワクチン接種または陰性証明の提出や、4人以下の少人数旅行であることなどが必要だったが、本格実施期間は必須としない。また、ネット専門の旅行会社(OTA)を使った予約もできるようになる。
「旅しようキャンペーン」は、兵庫県民が県内を目的地とした旅行をする場合が対象。1人1泊当たり最大5千円の割引や、みやげ物店や観光施設で利用できる最大2千円分の「ふるさと応援クーポン券」を配ることで、1人最大7千円がお得になる仕組み。
宿泊施設は感染リスク軽減対策「ひょうご安心旅」に参画していることが条件で、クーポンを使える飲食店は県の認証店に限る。スタートから半月間で約20人泊の予約・利用があり、旅行・宿泊代金を合わせると総額37億円にのぼっている。
斎藤元彦知事は、2日の定例記者会見で、県内の12歳以上のワクチン接種率が8割を超えたことや、新規感染者数や病床使用率の水準が低いことを考慮して、本格実施に踏み切るとした。理由の1つとして、感染防止対策をとりつつ、経済活動を元に戻すための需要の喚起を挙げた。そして「引き続き、ワクチン2回接種と家族などの少人数旅行で利用を推奨するが、兵庫県での旅やレジャーを楽しんで」と呼びかけた。キャンペーンは12月31日までの利用が対象。感染が再拡大すれば停止される。
また兵庫県は、「Go To イート」のプレミアム付き食事券の販売を再開する。申し込みは11月8日~14日、新たに約30万冊分について、ウェブで受け付ける。すでに抽選済の分と合わせた約65万冊については、県の新型コロナウイルス対策の認証を受けた認証店に限定して使用できるようにする。斎藤知事は「認証店が県内で9割近く(兵庫県内の飲食店は約2万8千店)を占め、兵庫でスタンダードになりつつある」と評価した。
利用期限は12月1日~15日。ただ、期間が2週間と短く、国が延長を検討しており、斎藤知事も「おそらく延長されるだろう」との見通しを示した。県は引き続き、会食などの際は「ひとつのテーブルに4人まで、2時間程度以内の利用を」と呼び掛ける。