今年のプロ野球パ・リーグで、25年ぶりの優勝を果たしたオリックス。前回の1996年のときには主軸の1人として活躍し、選手会長も務めていたOBの藤井康雄氏(59)が、ラジオ番組に電話出演し、ドラフト同期でもある中嶋聡監督(52)や選手たちの奮闘ぶりを称えた。
藤井氏と中嶋監督は、1986年秋のドラフトでともに阪急に指名された間柄。藤井氏は社会人からドラフト4位で、中嶋監督は高校からドラフト3位で、それぞれプロの道に進んだ。ドラフトの指名順からか、藤井氏いわく、中嶋監督は当時「態度は僕より上だった(笑)」。
それでも、かつてのチームメイトが古巣を率いて優勝に導いたことに、藤井氏は感慨深い様子だ。「彼はいろんな球団を渡り歩き、いろんな指導者、いろんな野球を見てきたなかで、今、監督業を務めているが、そこにつながっているんじゃないかなと思う」。
特に賛辞を送ったのは、若手の育成。「中嶋監督は我慢ができる監督。一番は杉本(裕太郎)という潜在能力のある選手を使い続けたこと。紅林(弘太郎)も若いけど失敗を恐れずに使い続けるなど、若手を(我慢強く)使っていたことが、今年の優勝につながっているのかなと思う」と、チームを成長させた手腕を大きく評価。
そして、「毎年、投手陣は山本(由伸)中心にいい投球するも、得点力不足でなかなか勝ちにつながらなかったところを、福田(周平)、宗(佑磨)、吉田(正尚)、杉本と、1~4番までを確立できた。そこに紅林やベテランのT-岡田、安達(了一)らがうまくかみ合ったというような気がした」と、藤井氏は安定していた打線を組めたことにも注目する。
6月に首位に立ち、好調を続けていたなか、終盤戦の9月には苦戦を強いられ、一時は千葉ロッテに首位を明け渡したオリックス。「(吉田)正尚のケガは非常に大きかったが、監督が常々言っている『最後まであきらめない』というのを言い続けたことが、選手に浸透したのかなと思う」。藤井氏は指揮官の姿勢が、若きオリックスの選手たちのネバーギブアップ精神を生み出したと分析。最終盤での逆転優勝、そして、昨年最下位からの下克上Vを生んだ中嶋オリックスの奮闘を手放しで喜んでいた。
※ラジオ関西『PUSH!』2021年11月2日放送回より