神戸にある上方落語の定席、神戸新開地・喜楽館が、今年も年末に「忠臣蔵特集ウィーク」を実施する。期間は12月13日(月)から19日(日)までの1週間。
1702年12月14日の深夜、播州赤穂藩主浅野内匠頭の仇である吉良上野介の屋敷に47人の義士が討ち入った赤穂事件にちなんだもので、昨年に続いての開催。今年は無声映画のカツベン(活動写真弁士)を加えるほか、喜楽館のロビーには「忠臣蔵」に関する映画や舞台の写真も展示する。
13日から16日まで出演する桂春蝶は、「忠僕元助」をかける。「元助は四十七士のひとり片岡源五右衛門の下僕で、とても誠実な人だった。『討ち入り』については秘密事項だったため、片岡は何とか元助に暇を取らせようとするが、元助は応じない。元助に食い下がられ、ぐずぐず状態になっていく片岡の狼狽ぶりがこの話の聞き所」と春蝶は話す。さらに討ち入り後の元助の話も加えることで、「魂が入った話になった」という。
17日に出演する林家染雀は、「質屋芝居」をかける。「裏との掛け合い」も聞き所といい、「江戸にはない上方落語ならではの演出」と話す。
このほかカツベンでは、坂本頼光(13日~16日・19日)と大森くみこ(17日・18日)による「血煙高田の馬場」が披露される。
近年は12月になっても忠臣蔵が取り上げられる機会が少ない。春蝶・染雀はともに「忠臣蔵の話は日本の文化ともいえる。今の時代には合わないかもしれないが、改めて知ってもらう機会になれば」と、「忠臣蔵特集ウィーク」への期待を込めた。
神戸新開地・喜楽館「忠臣蔵特集ウィーク」は昼席公演(午後2時開演)で開催。公演情報などの詳細は喜楽館の公式ホームページに掲載されている。