バレーボール元女子日本代表で、現在は株式会社姫路ヴィクトリーナ取締役球団社長付エグゼクティブアドバイザーの竹下佳江氏が、15日に放送されたラジオ番組にゲスト出演。「テン」の愛称で親しまれ、現役時代はセッターとして活躍していたバレーボール界のレジェンドは、東京五輪を終えた今後の女子バレーボール界の話や、ロンドン五輪銅メダル獲得の秘話などを語った。
出演したのは、林歳彦氏(会社経営者・環境活動家)と、フリーアナウンサーの田中大貴(元フジテレビアナウンサー)がパーソナリティーを務めるラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2021年11月15日放送回。
東京五輪で、女子バレーボールは予選ラウンド敗退、10位という成績に終わり、2012年ロンドン五輪に続くメダル獲得はならなかった。この結果を振り返って、「これから日本の代表チームはどうなるんだろうと思いましたし、バレーボール協会含め、いろいろと変わらないといけない時期だと思います」と危機感を抱いたという。
五輪後の10月22日には、眞鍋政義氏が女子日本代表監督に5年ぶりに復帰。この電撃就任劇について、竹下氏は「(眞鍋監督は)チームをまとめるのが上手い人です。私も眞鍋さんに『監督やれば良いじゃないですか』って言っていたんですが、その時は『やるわけない』って答えられたんですけどね……。きっといろんなことを考えて決められたんだと思います」と、かつての師をおもんばかった。
その竹下氏といえば、眞鍋氏が率いていたロンドン五輪の代表の主軸として、銅メダルを獲得した経験を持つ。当時を振り返り、メダル獲得に至った理由を尋ねると「チームの総合力、バランスが一番マッチしていた」と回答。そして銅メダル獲得の裏側には“あるエピソード”があったと明かす。それは、準々決勝の前夜、監督を含めたスタッフ陣が選手にモチベーションビデオを用意したというもの。「ダイジェスト編集された試合映像にメッセージが添えられたVTRだったんですが、スタッフ陣は普段からデータ分析や作業に追われて眠れないことが多いんです。そんな忙しいなか、こんなビデオを作ってくれたんだから『この人たちのためにも頑張らないと』って気持ちになりましたね」と、改めて当時の感動をかみしめていた。
そんな現役時代を経て、ヴィクトリーナ姫路では眞鍋氏からの強いラブコールを受けて4シーズンにわたって監督を務め、チームをVリーグ1部に導いた竹下氏。現在は育児などもあって現場からは離れているが、番組では今後の代表監督就任の可能性についても問われた。それでも、日本バレーボール界を代表するレジェンドセッターは、「サポートはできるだろうけど、自分が(監督として)現場に立つ想像はできないです」と回答。今の立場からバレーボール界を支えていくという意思を見せていた。