「コロナ禍で先行きが見えない中、自分の家計をどう回していくか、増やしていけるか」。この、誰しもが気になる喫緊の課題に応えてくれる“ニューヒーロー”がSNSに登場し、わかりやすいと評判だ。
ヒーローの名前は「お客様サポート課 ヒーローズ課長」。神戸市垂水区塩屋にオフィスを構える「エフ・ピー・ヒーローズ株式会社」の“名物課長”だ。
同社は2011年1月に創業。「『家計の貯金をどうすれば……』という話をはじめ、奨学金や住宅ローン、保険、年金などさまざまなお金の相談にこたえるファイナンシャルプランナー（FP）事務所だ。子育て中のママFPや経験豊かなベテランFPが所属しており、代表取締役の堀田寛晶さんは「相談者のニーズにあわせて対応できるのも強み」と話す。
コロナ禍の前からオンラインでの家計相談を積極的に行っており、コロナをきっかけにさらに取り組みを強化。InstagramやTikTokでは『家計診断士』として、「生きていくうえで役に立つお金の情報を配信している」（堀田さん）。
ヒーローズ課長が生まれたのもそうした取り組みの一環。全身青タイツの課長が、お金に関するアドバイスをわかりやすく行う様子は、シュールでもあるがインパクトは大きい。
「TikTokは1分ほどのワンポイント講座。Instagramは1時間のセミナーや相談会と使い分けています。主婦層の反応が特にいいです」（堀田さん）
もともとオンラインに力を入れていただけあって、相談者は国内にとどまらない。オーストラリア、カナダ、アメリカ、台湾と海外からの相談も届く。そして最近は、飲食関係や旅行関係といったコロナ禍で大きな影響を受けた業界の人からの相談が増えたという。収入減少やボーナスのカットを余儀なくされ、家計と向き合わざるを得なくなった人から、“上手なやりくり”についてアドバイスを求める声は後を絶たない。
かつては神戸元町に事務所を構えていたが、情緒があふれ、最近では若者にも注目されている「塩屋」に移った。「妻が薬剤師で、勤めに出るより自分でやろうかと塩屋の調剤薬局をM&Aで譲り受けまして、その二階にFP事務所も移しました。いまではここが配信スタジオにもなっています」（堀田さん）。
今後については、「ひとりでもお金に困っている人を助けられるような活動をしていきたい。（コロナ前からオンラインに注力していたように）これからも塩屋で、一歩先を行く、新しい取り組みを重ねていきたい」と意気込んでいる。
※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2021年11月30日放送回より
【2021年11月30日放送回…放送音声】
