兵庫県豊岡市で約90年の歴史を重ねた老舗料亭「とゞ兵(とどひょう)」の建物が、名前はそのままに、コワーキングスペースや結婚式場を兼ね備える複合施設として生まれ変わった。オーナーの小山俊和さんがラジオ番組に出演。新たな文化発信拠点として「いろいろな人に使ってもらいたい」と抱負を語った。
小山さんが出演したのは、豊岡在住で劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西、毎週木曜午後1時~)。前回出演時は建物再生の経緯を、今回はその全貌を紹介した。
とゞ兵は、豊岡市中心部の「カバンストリート」にある。面積は約1,000平方メートル。築90年を超える2階建ての木造部と、後年増築された3階建ての鉄筋コンクリート造部、計4つの建物が連なる。
景観形成重要建造物に指定された木造部分は保全しながら、大胆に改修。コワーキングスペースやイベントスペース、中庭はカフェスペースにするなどした。今では‟豊岡の新しい遊び場”として、観光客のみならず地元の人も立ち寄る特別な場所となっている。
1階には、とゞ兵の名前の由来となったトドのはく製が鎮座。「初代オーナーの兵助さんが、山陰沖合で捕獲したトドを店頭に囲ったところ、その珍しさに多くの方が来たようです。『トド』を飾った『兵助』さん、からこの屋号になりました」と、小山さんは朗らかに話した。そんな1階は、元料亭ならではの個室を活かし、飲食店のポップアップ(期間限定出店)やIT企業、演劇を通したまちづくりに取り組むNPOなどが入るコワーキングスペースが並ぶ。
2階には今回の収録でも使用した80畳(廊下など含む)の大宴会場がある。立派な舞台では今後、「豊岡演劇祭」での活用も期待される。
奥に進むと、コンクリート造の商業スペースが現われる。広い廊下も打ち合わせ用のコワーキングスペースに。大部屋はDJブースやバーカウンターも完備し、イベントも開催可能。時間単位の利用から月額会員まで、利用者が増えている。
※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。
『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp