売れないチーズを肥料で活用 生産コスト、化学肥料の削減に期待 JA兵庫南と六甲バターが連携協定 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

売れないチーズを肥料で活用 生産コスト、化学肥料の削減に期待 JA兵庫南と六甲バターが連携協定

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 商品として売ることができないチーズを発酵させて作った肥料を活用し、環境に配慮しながら農家の生産コスト低減につなげようと、JA兵庫南(本店:加古川市)と六甲バター株式会社(本社:神戸市)が連携協定を結んだ。8日には、ファーマーズマーケット「にじいろふぁ~みん」(稲美町)で締結式があった。

(左から)小川佳宏・県東播磨県民局長、JA兵庫南の中村良祐・代表理事組合長、六甲バターの塚本浩康・代表取締役社長、サンキューフーズの乾萬寿男・代表取締役(12月8日午前=なないろふぁ~みん)
(左から)小川佳宏・県東播磨県民局長、JA兵庫南の中村良祐・代表理事組合長、六甲バターの塚本浩康・代表取締役社長、サンキューフーズの乾萬寿男・代表取締役(12月8日午前=にじいろふぁ~みん)

 六甲バターは2011年、JAと有限会社サンキューフーズ(加古川市)に「ブタのエサになっている規格外チーズ(製品にならないチーズ)について、もっと使い道は無いか」と相談。サンキューフーズはチーズを発酵させたり、米ぬかや糖蜜などを混ぜたりして、翌12年に肥料の製品化に成功したものの、一部の農家や県立農業高校で使われただけで、長らく活用されてこなかった。

 しかし、六甲バターはこのほど、改めてこの肥料を活用しようと、野菜を実際に育てる試験を実施。JAに協力を申し出たことが、連携協定を結ぶきっかけになったという。この「チーズ発酵肥料」には、水に溶けない「不溶性リン酸」が比較的多く含まれるため、農作物にゆっくり効いていく特徴があり、根の発達スピードが速くなるなど、生産性が上がる効果が見られているという。

 JA兵庫南の中村良祐・代表理事組合長は、「農業者の所得増大を目指す中で、輸入に頼っている肥料の値段が上がっている。地元で低価格の肥料を作り、生産コストを下げる意義は大きい」と強調。一方、六甲バターの塚本浩康社長は、「“チーズ屋”のイメージが強い我々にとっても、チーズを活用した新たな可能性を広げることは意義深い。化学肥料の削減も期待できる」と期待を寄せた。両社は今後、肥料の安定供給を目指す中で、全国規模での取り扱いを見据えているという。

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