兵庫県稲美町で11月、小学生の兄弟が死亡した住宅火災で、殺人と現住建造物等放火容疑で逮捕、送検された同居の伯父(51)について、神戸地検姫路支部が犯行当時の精神状態を調べるために姫路簡裁に鑑定留置を請求し、認められた。期間は12月10日~2022年4月18日。
伯父は11月19日夜、木造2階建ての自宅に火を放ち全焼させ、就寝中の兄(12歳・小学6年)と弟(7歳・小学1年)を殺害した疑いで逮捕された。捜査関係者によると、伯父は死亡した兄弟の両親から食事や住宅内の移動、入浴など生活を制約されたと思い込み、「両親に精神的な苦痛を与えたくて大切な子どもを狙った」と動機を供述しているという。
また「ガソリンを使って火を付けた」と容疑を認め、1階にある伯父の部屋の押し入れにあった布団の燃えかすからガソリン成分が検出された。
捜査関係者によると、伯父には粗暴な振る舞いが見受けられたことから、両親は兄弟を伯父と接触させないようにしており、伯父が同居生活で両親に一方的に恨みを募らせ犯行に及んだとみている。
伯父は食事で残飯などを与えられることがあり、入浴は週に1回で、テレビやラジオの視聴、住宅内での行動範囲も制限されていたと説明。しかし捜査関係者によると、厳しい制約があったとまでは言えず、勝手に思い込んでいた疑いがあるという。
そして兄弟の死亡を知り「目的が達成されたと思った」とも供述。兄弟や両親に対する謝罪や反省の弁はない。