女子サッカー・なでしこリーグのINAC神戸レオネッサは、14日に行われた2019プレナスなでしこリーグ1部の第15節で、首位の浦和レッドダイヤモンズレディースに2-1と逆転勝利し、上位戦線に踏みとどまった。
INAC神戸の試合内容について、ヴィッセル神戸や水戸ホーリーホックなどで活躍した元Jリーガーで、現在はラジオパーソナリティーなどマルチに活動する近藤岳登は、ラジオの応援番組のなかで、「この戦いが最初からできていれば、今、首位に立っているはず。でも、やっとそういう形が完成されてきたのかなと思う。(今年のFIFA女子)ワールドカップに行った選手たちに、(その他の)みんなが触発されて、代表のレベルに追い付こうとしている。そういうところが見えた試合だった」と、レオネッサイレブンの奮闘を讃えていた。
INAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』14日の放送で展開されたサッカー解説コーナー「ガクト’s 愛(GAKUTO’s EYE)」で、近藤は、失点シーンと得点シーンをそれぞれ検証した。
前半の失点シーンについて、近藤は、ゴールにつながった右クロスへの対応をポイントに挙げる。「対応すべき2人、本来は(左サイドの)八坂芽依と守屋都弥がいけるところを、八坂がひとりで対応したことで、クロスを入れられて、ゴールを決められた。これは、(守屋)都弥が近くにいたから、どっちかが中を切って、どっちが縦を切るかというところだったと思う。はっきりと挟み撃ちにして、(八坂は)縦にはぜったい行かせない、中に来たら都弥がディフェンスに行くよ、ということで最後は裏(後ろ)に(ボールを)下げさせる。最低限、そういうディフェンスでの対応が必要だった。それができたら、この失点はまずなかったと思う。そこはシンプルなコミュニケーションと役割分担の問題であり、すぐ解決できることだと思う」と、守備面での選手間のやり取り、声での連係の重要性を強調する。
一方で、INAC神戸の得点シーンについて、同点弾を決めた髙瀬愛実を好評価。「サイドバックの選手だから、なかなかずっとは前にはいけないが、チャンスと思った瞬間、一気にスピードを上げて、味方を信じて前に出ていった。杉田妃和の(アシストした)パスもすごいやさしくてパーフェクトだったが、そのボールを、髙瀬は完璧なファーストコントロールで、(シュートを)打ちやすい位置にボールをおいて、ラン・ウイズ・ザ・ボールで、左足でシュート。勢いに乗ったままでGKのニアハイ、上に叩き込むのは、技術がめちゃくちゃいること。あのゴールはあっぱれですよ!」とコメント。近藤自身も同じようにFWからサイドバックにコンバートしたなかでプレーした経験があるだけに、そのクオリティの高さを絶賛していた。
さらに、決勝点となった京川舞のゴールについては、「シュートを打つ姿勢が生んだ得点。後半から出てきて、シュートをバンバン打って、相手に当たったりしたけど、これでめげずやり続けた京川の勝ち」と、どん欲にゴールを狙い続けた京川の積極性に注目。「その前にパスを出した岩渕真奈も、ファーストコントロールをしっかりして、ドリブルで持って相手を見ながら、ひきつけて、ひきつけて、やさしいパスを出していた」と、京川にアシストした岩渕の素晴らしい技術にも着目していた。