阪神・淡路大震災から27年を迎えた17日正午、神戸市灘区の摩耶山天上寺で追悼の鐘が鳴らされた。
天上寺では毎年1月17日、初観音の法要が営まれるが、世界各地の自然災害の犠牲者の供養も営まれている。参列者は鐘をそれぞれ1回ずつ撞き、27年前の震災を忘れまいと誓った。
神戸市西区の60代の女性は「27年前のこの日も、陽は差していたが寒さが厳しかった。あの日の空は今でも覚えている。日が経つにつれて、どんどん大きくなる被害状況に驚き、絶望したことがつい最近のように思える。あれから27年も経ち、東日本大震災をはじめ、さまざまな自然災害が起きた。神戸に住む者として、その教訓を伝えていきたい。そして今生かされていることに感謝したい」と涙ぐんだ。
伊藤浄真・副貫主は「この日の朝に起きた阪神・淡路大震災を私たちは忘れない。この厳しい寒さが、あの時の記憶を呼び起こさせる。年月を重ねるたびに、さまざまな思いも深まる中、この追悼の鐘の音が神戸の街に響き続けることを願う」と話した。