神戸の人工島、ポートアイランドは、住宅や商業施設に加え、医療施設や公共施設、観光スポット、大学のキャンパスも複数あり、「医療産業都市」構想の拠点としても発展を見せている。そこで神戸市では、ポートアイランドのさらなる賑わいづくりと、それに伴う交通の利便性向上を目指した取り組みを進めている。
ポートアイランドは、住宅地や観光地であると同時に先進的な技術や“知”の集積地として、発展が進む。世界から注目を浴びている、スーパーコンピューター「富岳」や、iPS細胞をはじめとした先端医療の研究拠点「医療産業都市」のほか、大学のキャンパスも複数存在する。
それら島内各地と、神戸の都心・三宮を結ぶ「ポートライナー」は、1981年(昭和56年)2月5日、国内最初の無人運転路線としてポートアイランド線が開業。同年に開催された博覧会「ポートピア’81」では、会場への主要な足として注目され、昨年2021年に開業40年を迎えた。運営は、神戸新交通株式会社(以下、神戸新交通)が担っている。
特長は、車両が専用高架軌道を走ること。そのため、車との接触事故がない。また、環境に配慮した交通機関でもあり、動力が電気のため排気ガスが発生せず、車輪にゴムタイヤを使用することで振動による騒音などが抑えられている。車窓からは、神戸港や六甲の山並みといった神戸らしい景色を望むことができ、利用客からの人気が高い。
今後、ポートアイランドのさらなる発展に伴い、ポートライナーの利用者は増加すると見込まれている。そこで神戸市では、混雑緩和に向けたさまざまな対策を講じている。
その1つが、スマートフォンアプリ「KOBEエコアクション応援アプリ『イイことぐるぐる』」。このアプリでは、駅やバス停の混雑情報を配信。ポートライナー三宮駅や、ポートアイランド方面へのバスの停留所の混雑状況を知ることができる。
併せて、「ポーアイ方面“朝バス”無料キャンペーン」も実施中。2月25日(金)まで、土日祝日を除く日の朝の時間帯、ポートライナーの通勤定期券を持つ人は、神戸・三宮からポートアイランド方面行きの路線バスを無料で利用できる。詳細は神戸市の公式ホームページで確認できる。