関西スーパーマーケットは1日、社名を「関西フードマーケット」(本店・ 兵庫県伊丹市 )に商号変更した。 阪急阪神百貨店を運営する流通大手「 エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)」の中間持ち株会社として、傘下に事業子会社として1日付で新設した関西スーパーマーケット、すでにH2O傘下のイズミヤ、阪急オアシスを置く。3社の統合により200店舗を超え、売上高は4千億円規模と、関西最大級の食品スーパー連合の誕生となる。
新型コロナウイルス禍の”巣ごもり消費”でスーパー各社は増収基調だが、ドラッグストアなど異業種の参入で競争は熾烈で、デジタル化への対応が急務となる。オーケーはその後も関西進出を模索しており。再編の動きは今後も続きそうだ。
帝国データバンクが集計した近畿2府4県に本社を置く食品スーパーの単体売上高調査によると、関西フードマーケットは3893億円となり、トップの平和堂 (本部・ 滋賀県彦根市 3898億円)に肉薄する2位に躍り出た。 H2Oと提携する万代(本店・大阪府東大阪市 3795億円) や、業務スーパーを展開する神戸物産(本社・兵庫県加古川市 3708億円) を追い抜く。
■地域性に合わせた店舗運営、ブランドはそのまま「一番店」目指す~林・新社長が抱負
関西フードマーケットの社長に就任したH2Oの林克弘副社長は「関西スーパー、イズミヤ、阪急オアシスの各ブランドをそのまま維持しつつも、屋号による棲み分けではなく、出店地域ごとの特色に合わせた店づくりや品ぞろえ、価格の見直しを図り、お客さまにとっての一番店を目指していく」とコメントした。
関西スーパーの経営権をめぐっては2021年、 H2O と首都圏地盤のスーパー・オーケー(本部・横浜市) が争奪戦を展開。臨時株主総会で大接戦の末、H2Oグループとの統合が可決。総会の決議方法を巡り法廷闘争に発展したが、最高裁が決議の有効性を認めた高裁判断を支持し、最終決着した。