女優の武田梨奈がパーソナリティーを務めるラジオ番組『武田梨奈のこだわりな時間』(ラジオ関西)。2月5日放送回では、前回に引き続き、映画監督で劇団ゴジゲン主宰の松居大悟がゲスト出演。松居が監督を務め、2月11日に公開される映画『ちょっと思い出しただけ』についてのトークを展開した。
10年来の付き合いのある松居の監督作品では、「『くれなずめ』(2021年公開)がめちゃくちゃ好きで、松居大悟作品ベストワンだったんです」と語る武田。それでも最新作『ちょっと思い出しただけ』を実際に観て、「本当におもしろかったです! 次の⽇までひきずるくらい浸りました。ひきずるって、映画を観るうえですごく⼤きい(要素)じゃないですか。よかったです!」と、絶賛する。
その話を受けて、松居は、『くれなずめ』と『ちょっと思い出しただけ』の撮影に関する違いを次のように説明する。
「『くれなずめ』は、けっこう人物に寄っているというか、『俺のなかでおまえは生きているよ』というような、友だちというものや、私生活がテーマになっていたりするもので、カメラが長まわし(での撮影)だったり、手持ち系だったりするんです。(一方で)『ちょっと思い出しただけ』は、ほぼフィックス(固定)で、めっちゃ我慢したんですよ。プラス、『くれなずめ』ではいい声もありつつ、『なぜ物語を最後に破壊するんだ』とけっこう言われて(苦笑)。あのときは、なんか恥ずかしいし、破壊したかったいうか、照れ臭さもあったんですが。物語を破壊させなかったのは(今回が)初めて。だから我慢したんですよ、(展開を)破壊させたい、ちゃぶ台をひっくり返したいという思いを」
アーティストのクリープハイプの曲「ナイトオンザプラネット」がベースとなった、映画『ちょっと思い出しただけ』。彼らがメジャーデビューした2012年から5年ほど、MVなどを担当していた松居のもとに、ボーカルの尾崎世界観から連絡が入ったことが、映画製作のきっかけになったという。
「2020年の5月か6月くらいに、尾﨑くんから『どうしても松居くんと一緒につくりたい曲ができました』と、『ナイトオンザプラネット』を送ってくれて。それを聴いたとき、『MVとか短編でやるのはもったいないから、ちょっと預からせてくれ』といって台本を書こうと思ったんですが、そこから1年くらい、なかなか台本ができなくて……。この曲が最後に流れる物語ってなんだろうとずっと考えて、(映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』を作った)ジム・ジャームッシュ映画を観たりだとか(参考にして)、コロナ禍で家を出られないなかでずっと悩んでひねりだしながら作っていったのは、かなり印象的ですね」(松居)
実際にジム・ジャームッシュの『ナイト・オン・ザ・プラネット』をオマージュしたシーンも、『ちょっと思い出しただけ』には散りばめられているという。
「映画の素材としてジャームッシュの『ナイト・オン・ザ・プラネット』を使っているんですが、あれを使わせてもらうための許諾料がけっこうかかるんです。ウィノナ・ライダーやジーナ・ローランズらが出ているので。それも含めてジャームッシュのところに(使用の許諾を)お願いをしたら、ジャームッシュから、『もちろんいいし、インディーズ映画、低予算映画は低予算映画だから、応援するよ』といって、(実際のかかるお金の)3分の1くらいにしてくれたの。むっちゃやさしい。あれはすごいんですよ!」(松居)
そのオマージュしたシーンについて、「あれはエモかったです! 久々に、映画を観てちょっと真似したくなるような、かっこよく見えちゃうシーンでした」と武田も感激していた。
『武田梨奈のこだわりな時間』
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ちょっと思い出しただけ
— 松居大悟 (@daradaradayo) February 4, 2022
公開まであと1週間!
無事に公開してくれー。。
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本予告が2人の世界ならば、これは映る景色や人や空気すべてが主人公のロング予告編pic.twitter.com/SM2oaaxsK3