姫路海上保安部(兵庫県姫路市)所属の新しい巡視艇「ひめぎく」(全長20メートル、総重量26トン)の業務が2022年1月26日、スタートした。
![巡視艇「ひめぎく」<※画像提供・姫路海上保安部>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E5%A7%AB%E8%B7%AF%E6%B5%B7%E4%B8%8A%E4%BF%9D%E5%AE%89%E9%83%A8%E3%80%80CL201%E3%80%8C%E3%81%B2%E3%82%81%E3%81%8E%E3%81%8F%E3%80%8D-1024x683.jpg)
名前の由来は姫路市の「ひめ」と兵庫県花である野路菊(のじぎく)の「きく」を組み合わせたもの。 これまでにも姫路海上保安部に所属し、 海の安全・安心に貢献してきた。 今回就役した船が3代目。
先代の「ひめぎく」は3年近く就役したのち、老朽化した関西空港海上保安航空基地(大阪府泉佐野市)の巡視艇「さのゆり」の代替船として、2022年1月に再出発した。
![巡視艇「ひめぎく」船内<※画像提供・姫路海上保安部>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E5%A7%AB%E8%B7%AF%E6%B5%B7%E4%B8%8A%E4%BF%9D%E5%AE%89%E9%83%A8%E3%80%80%E3%80%8C%E3%81%B2%E3%82%81%E3%81%8E%E3%81%8F%E3%80%8D%E8%88%B9%E5%86%85%E5%86%99%E7%9C%9F%E2%91%A0-1024x768.jpg)
![離島での急患発生時にも収容、搬送可能に<※画像提供・姫路海上保安部>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E5%A7%AB%E8%B7%AF%E6%B5%B7%E4%B8%8A%E4%BF%9D%E5%AE%89%E9%83%A8%E3%80%80%E3%80%8C%E3%81%B2%E3%82%81%E3%81%8E%E3%81%8F%E3%80%8D%E8%88%B9%E5%86%85%E5%86%99%E7%9C%9F%E2%91%A1-1024x768.jpg)
姫路海上保安部(加古川海上保安署を含む)の巡視艇は計5隻あるが、新造された「ひめぎく」は、新型コロナウイルス感染症患者などの収容スペースを設けたのが特色。管轄する有人の離島、家島諸島(兵庫県姫路市)などで急患が発生した場合も、スムーズに搬送できる。
さらに灯標や灯浮標の保守点検の際に、船の側面を他の船や岸壁に寄せて接触する「接舷(せつげん)」による衝撃をやわらげて、相互の損傷を防止するため防舷物(ぼうげんぶつ)を設けた。
![巡視艇「ひめぎく」船頭、船尾の2か所(赤色の囲み)に防舷物を取り付けた<※画像提供・姫路海上保安部>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/-e1644386994992-1024x479.jpg)
海上保安庁によると、2021年度に就役した全長20メートル型の巡視艇には、感染症患者等の搬送に的確に対応するため、新たに感染症患者等を収容できるスペースを確保、現在所有している巡視艇でコロナ感染者に対応したのは、2021年12月に就役した徳山海上保安部(山口県徳山市)の「にじかぜ」、横須賀海上保安部(神奈川県横須賀市)の「はかぜ」と合わせて3隻となる。
![姫路海上保安部が管轄する海域 海図中央が家島諸島<※画像提供・姫路海上保安部>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E5%A7%AB%E8%B7%AF%E6%B5%B7%E4%B8%8A%E4%BF%9D%E5%AE%89%E9%83%A8%E3%80%80%E7%AE%A1%E8%BD%84%E6%B5%B7%E5%9B%B3-1024x724.jpg)
「ひめぎく」は通常の海上での警備、救難活動にも欠かせない存在となる。広い播磨灘に面する姫路海上保安部の管内で発生した船舶事故・人身事故は2021年、前年に比べて大幅に増加した。船舶事故は41隻(前年比+8隻)。このうちプレジャーボートが31隻と、全体の75%を占めた。新型コロナウイルスの感染防止のため、密になる空間を避けようと屋外のレジャー人口が増えたのが主な要因。人身事故は23人(同+11人) 。また、人身事故に伴う死者・行方不明者は7人と、前年と比較して6人増加している。