兵庫県は15日、総額およそ4兆2500億円にのぼる、2022年度の当初予算案を発表した。斎藤元彦知事が就任してから初めてとなる当初予算編成で、21年度に次ぐ過去2番目の予算規模となったが、5年ぶりに総額が前の年度を下回った。収入と支出の均衡は4年続けて達成した。
基本的な経費の規模を示す「一般会計」は、新型コロナウイルスの影響を受ける事業者の資金繰りを支援するための「中小企業制度貸付金」の融資目標額を約3,000億円減らしたことや、斎藤知事が取り組む、事業の見直しや凍結といった「県政改革方針」によって経費が少なくなったことなどで、2兆3,833億円と、4年ぶりに減少した。過去最大となった21年度を、12.7%下回った。
一方、県税による収入は、企業の業績や消費が回復したことで法人関係税や地方消費税が増え、過去最高となる8,735億円を計上した。
県は22年度、新型コロナウイルス対策を最優先の課題と位置づけ、入院病床や宿泊療養施設などの確保に約600億円、3回目のワクチン接種などの体制整備には約140億円を計上した。
一方、ポストコロナを見据え、若者や企業家らへのスタートアップ支援を強めて産業競争力を高めるほか、2025年に予定されている大阪・関西万博を見据え、大阪湾ベイエリアの活性化などに本格的に着手する。新たな事業はあわせて110件にのぼった。
斎藤知事は、この予算を「躍動する兵庫へ~第一歩を踏み出す予算~」と名づけ、「県の財政状況は厳しいが、ポストコロナ社会を見据え、第一歩を踏み出す予算編成だ」と説明した。この来年度当初予算案は、16日からの2月県議会で審議される。