飲食店ではおなじみの「プラスチックストロー」。当たり前のように使っているストローですが、大手カフェチェーン店が紙ストローを導入したことや一部コンビニで無料ストローが廃止されたことで、困惑した方も多いのではないでしょうか。
そのなかで、使い捨てストローにかわって、いま注目を集めているものがあります。その商品、「SUTENAIシリコンストロー」を開発・販売する株式会社アルデナイデ(本社:大阪府大阪市北区)の代表取締役を務める佐々木顕さんに詳しく聞きました。
「SUTENAIシリコンストロー」は柔軟に曲がり、縦に開くことができる持ち運びストローです。「シリコーンゴム」というゴム製の素材を使用しているので、紙ストローのように途中で破れる心配もないそうです。2020年1月1日に発売を開始して以来、コンビニやカフェが無料ストローの廃止や紙ストローの導入を進めていった時期と重なったこともあり、この商品への反響はかなり大きいといいます。
佐々木さんによると、以前から繰り返し使用できるストローはあったとか。ただ「繰り返し使う」という特性上、衛生面から洗浄が必要となり、ほとんどが「洗浄用ブラシ」が付属されているものばかり。そのため、せっかくの「持ち運べる」というメリットが失われるという課題がありました。
シリコーンゴムという、弾力性がありさらに耐熱性や耐寒性の高い素材を使用している「SUTENAIシリコンストロー」は、道具がなくてもそのまま洗えるという特長を持っています。
では、繰り返し使用するストローが、プラスチックストローに代わる時代は来るのでしょうか。そんな素朴な疑問を佐々木さんにぶつけてみると「プラスチックに触れない生活を送ることは実質不可能ですし、世の中からプラスチックストローはなくなることはまだまだ先でしょう」と、少々意外な答えが返ってきました。
一方で、使い捨てストローより格段に経済的ということもあり、少しずつでも広まっていくと予測しているそう。「一人ひとりがプラスチックに代わる材質のストローを使用すること自体が、周囲への意識変化をうながすきっかけになるはず。わずかな一歩でも、エコ的にも意義があると思います」と、環境問題に対する熱い思いを語っていました。
佐々木さんは、難しい言葉や意味深なメッセージでSDGsや環境問題を啓蒙することは重要ではないと考えます。「弊社のような中小企業がこういった商品を販売していくことで、小さなことからエコに関する行動を起こしていく人が増えるはず」。