JR西日本は3月12日、春のダイヤ改正を実施する。新型コロナウイルス感染防止対策で在宅勤務が浸透し、慢性的に鉄道利用が落ち込む中、京阪神エリアの朝のラッシュ時を中心に利用状況に合わせて減らす一方、運転間隔をほぼ均等にする。
朝のJR神戸線は、普通列車は概ね5分おきに、快速と新快速は交互に概ね10分おきの運転となる。
JR宝塚線(福知山線)の快速は7時台~8時すぎにかけて、20分に3本、各7分間隔になる。 なお宝塚線では新三田~篠山口間のダイヤを見直し、区間快速などの運転区間が短縮または延長され、昼間時間帯に新三田~篠山口間で運転する列車の本数を減らす。
このほか、大阪環状線(内・外回り)は4分おきに統一される。接続する阪和線では、快速の本数が減るが6分おきに統一される(普通は、このうち半数が環状線直通快速となり、天王寺行きと交互の運転になる)。
大和路線では、主に普通列車の本数を削減したうえ、普通は12分おき、快速は6分おきに。このうち半数が大阪環状線直通の区間快速となり、JR難波行きと交互の運転になる。
JR西日本は、 地方の不採算路線を多く抱えるていることもあり、 2021年3月期連結決算は純損益が2332億円の赤字と、民営化以降最大の赤字を記録した。主力の運輸収入が前期に比べ約半分となる4194億円に落ち込んだことが響いた。2022年3月期も、関西の大手私鉄4社(阪急阪神・近鉄・京阪・南海)が最終黒字を見込む一方、815~1165億円の赤字が予想される。
これまでJR西日本では新幹線や京阪神エリアの「アーバンネットワーク」など、利益率の高い路線で稼いだ分を赤字路線の維持に回す形でしのいでいたが、コロナ禍で出張や旅行需要が減り、頼みの新幹線などで思うように稼げていないとの見方もある。