東日本大震災から、2022年3月11日で丸11年となり、各地で追悼行事が催された。津波によって大きな被害を受けた宮城県名取市の閖上地区では、兵庫県から現地に赴いた支援団体が竹灯籠を並べ、地震が起きた午後2時46分に合わせて、約100人の住民らが黙とうを捧げた。
約650本の竹灯籠に優しく灯ったのは、阪神・淡路大震災の犠牲者を悼むため、東遊園地(神戸市中央区)に設置される「1.17希望の灯り」から分けられた火。市民団体「神戸・心絆」(三木市)によって、陸路で閖上まで運ばれ、竹灯籠は、「わしぇね 3.11」の文字を形作った(※「わしぇね」=「忘れない」という意味の方言)。
「心絆」と、県内のボランティア団体などの活動を支援する「ひょうごボランタリープラザ」(神戸市中央区)は協同し、地震の翌年から、3月11日や8月のお盆の時期、阪神・淡路大震災が起きた1月17日などに閖上地区の住民と交流を重ねてきた。
同プラザの高橋守雄所長は、「被災3県の追悼行事が減り続ける中、こうして多くの人が囲んでくれた。風化させないための、『1.17と3.11のつながり』を大切にしていきたい」と述べた。閖上地区の町内会長・長沼俊幸さんは、「思いはずっとあの日から変わらない。今日の光景は感動的だった」と挨拶した。