神戸・トラック転落事故「ずさんな安全管理、猶予にできない」無罪主張の運送会社元所長に実刑判決 神戸地裁 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

神戸・トラック転落事故「ずさんな安全管理、猶予にできない」無罪主張の運送会社元所長に実刑判決 神戸地裁

LINEで送る

この記事の写真を見る(2枚)

 神戸市灘区で2019年、暴走したトラックが川に転落して運転手が死亡し歩行者ら8人がけがをした事故で、車両整備を怠ったとして業務上過失致死傷罪に問われた大阪府摂津市の運送会社・元九州営業所長(65)に対し、神戸地裁は16日、禁錮1年4か月(求刑・禁錮2年6か月)を言い渡した。

神戸地裁
神戸地裁

 起訴状などによると、元所長は2019年9月2日、トラックのエアブレーキの部品に約1.5センチの亀裂があり、ブレーキが利かなくなる可能性があることを知りながら、死亡した男性運転主(当時57)に熊本県玉名市の営業所から神戸市まで運転するよう指示。翌3日、事故を起こして9人を死傷させたとしている。元所長は車両整備の管理者だった。
 トラックはブレーキが利かなくなり、前方の車や対向車、歩行者に次々と衝突して道路脇のフェンスを突き破り、道路脇の石屋川に転落した。

 検察側は「元所長は事故前に、運転手から複数回、車両の異常を報告されていたが、点検や修理を行わなかった」と指摘した。
 一方、元所長は初公判の罪状認否で「事故の6日前に(トラックを)使った時は問題がなかったので、事故を予見できなかった」と否認していた。
 さらに弁護側は制動力を失わせるほどのエアブレーキの不具合を予測できず、フットブレーキの多用で制動力が下がる「フェード現象」が事故原因の可能性があったとして無罪を主張していた。

神戸地裁はと実刑(禁錮)とした理由に「利益優先の組織の体質にも問題があり、運転手へ責任転嫁した」点を挙げた<2022年3月16日午後 ※代表撮影>
神戸地裁はと実刑(禁錮)とした理由に「利益優先の組織の体質にも問題があり、運転手へ責任転嫁した」点を挙げた<2022年3月16日午後 ※代表撮影>

 判決で神戸地裁は、エアブレーキの部品は2年に1度の交換が推奨されていたが、6年間も交換していなかった点に触れ「事故はエアブレーキの不調に起因する」と指摘した。
 さらに「所長自らもトラックの不具合を認識しており、ずさんな安全管理だったことは否めない」とした。そして、利益優先の組織の体質にも問題があり、運転手へ責任転嫁した点を重く見て、猶予刑にはできないと判断した。
 

LINEで送る

関連記事