事故物件住みます芸人、松原タニシによるラジオ番組『松原タニシの生きる』(ラジオ関西)に、認知症の医療を専門とする「しおかぜメモリークリニック」の南辰也医師が出演。今回は、パワースポットの謎や“生まれ変わり”など、不思議な現象について精神医学の視点から見解を述べた。
最初に紹介されたのは「パワースポットに行くことで、良いエネルギーがもらえたり悪い縁が切れたりする、というのは本当に起こるのでしょうか?」というリスナーからの質問。
これについて南医師は「パワースポットに『行く』こと、そして何かを『する』ということで気持ちが新たになり、結果的に現状が好転しているのではないでしょうか。要は気持ちの部分が大きいのだと思います」と回答。
その一方で「もしかしたら“磁場”の加減という可能性もあるかもしれません」という南医師。最近では、磁力を頭部に当ててうつ病などの治療にアプローチするTMSという新たな治療法が試されており、一部からは効果が出た報告もあるのだそう。磁力が人に様々な影響をもたらすことから、パワースポットの正体は“磁場”なのではと、持論を展開した。
続いてリスナーから届いたのは「そもそも“生まれ変わり”って本当にあるのでしょうか?」というメール。「私(リスナー)が3歳の頃、突然『お墓参りに行かないの?』と両親に聞いたことがあったそうなんですが、当時、私は一度もお墓参りをしたことがありませんでした。そして母に『お墓ってどんなところにあるの?』と聞かれた私は、見たこともないはずの父方の親族のお墓がある場所を正確に答えたそうなんです。私は父方の親族の“生まれ変わり”なのでしょうか?」。
この疑問については「実際に(生まれ変わった人を)見たことがないので、個人的には信じていませんが……」と話した上で、「人という生き物は、言われたことに対して理論を当てはめていくという特性を持っています。例えば占いで何かを言われたら『当たってる』と思うように、言われたことに対して自分が寄せていってしまうんですね。他にも、昔の人は『雷が鳴るのは神様が怒っているから』と思っていたように、人は“分からない”ことにストレスを感じるので『事象に対して納得のいく理由をつけてストレスを和らげる』という心が働くんです。なので、今回の件も、言われたこと(お墓について)に寄せていったケースかもしれません」と南医師はコメントした。
※ラジオ関西『松原タニシの生きる』2022年3月20日放送回より
◆南 辰也 医療法人社団澪標会 理事長/しおかぜメモリークリニック 診療部長。同院を19年に開院。認知症診療を中心にからだとこころの総合的な治療をおこなっている。診療科は精神科、心療内科、内科、リハビリテーション科