少しだけ落ち着きを見せつつも、まだまだ続くスニーカーブーム。「ローテク」や「ハイテク」など、その年によってスニーカーの中でもトレンドは行ったり来たりを繰り返しますが、定番モデルとして普遍的に愛され続けているのがコンバースの名作「オールスター」です。
様々なカラーバリエーションや素材、種類を持つ「オールスター」ですが、デザインは至ってシンプル。このスタイルは100年以上前に誕生して以来、基本的に変わっていないそうです。そんな「オールスター」で気になるのが、内側にある2つの穴。これはいったい何のためにあるものでしょうか? コンバースジャパン株式会社(東京都渋谷区)の広報担当・稲村さんに聞いてみました。
2つの穴は、靴紐を通すシューホールと同じように鳩目と呼ばれる金具がついています。一部では、『靴紐を通してフィット感をよくするため』なんて情報も出てきますが、稲村さんによると公式で推奨している穴の使い方ではないそうです。2つの穴の名称は「通気ハトメ」や「ベンチレーションホール」と呼び、通気性を良くするための穴だそう。
もともと、「オールスター」は1917年にバスケットボール専用のシューズとして開発されました。今では当たり前となった足首を保護するためのハイカットデザインなども、当時は斬新なものだったそうです。そして、バスケを快適にプレーするための役割の1つとして生み出されたのがこの「通気ハトメ」でした。
ちなみに、コンバースのロゴが入ったパッチは「アンクルパッチ」と呼び、くるぶしを守るためのもの。記された「Chuck Taylor(チャックテイラー)」の文字は、当時に活躍したプロバスケットボールプレーヤーのチャールズ・H・テイラー氏の通称だそうです。
多くのプレーヤーに「オールスター」を広め、シューズの改良についてもさまざまな助言を与えるなど偉大な功績を称え、1946年から現在にいたるまでオールスターには彼の名前が記されています。
おわりに、長く愛されているオールスターの最新モデルをご紹介。「ALL STAR US COLORS HI(オールスター US カラーズ HI)」は洗い加工を施したキャンパス素材に80年〜90年代のアーカイブに見られたカラーを採用しています。また、「ALL STAR 100 CHUNK HI(オールスター 100 チャンク HI)」は、通常よりかかとが22mm高いソール設計で、足元にほどよいボリュームを演出しているのが特長です。
新生活に「オールスター」を新調して、改めてその歴史に思いをはせてみるのもいいかもしれません。