警察庁によると、2021年末時点で、全国の暴力団構成員と準構成員は計2万4100人となり、過去最少を更新した(構成員1万2300人・準構成員1万1900人)。
今年(2022年)は暴力団対策法が施行されて30年となるが、当時の9万1000人に比べると、3分の1以下まで減少している。
構成員と準構成員の数の最多は六代目山口組(本部・神戸市灘区)で8500人で全体の約35%。次いで住吉会(東京都港区)が4000人、稲川会(東京都港区)が3100人の順。六代目山口組から分裂した神戸山口組(神戸市中央区)は1000人、さらにそこから離脱した分裂した絆會(兵庫県尼崎市)は230人だった。
六代目山口組と神戸山口組、絆會はそれぞれ兵庫県を本拠地としている。兵庫県警によると、県内の構成員と準構成員は合わせて690人で、前年から80人減となった(暴力団対策法が施行された1992年以降最少)。
兵庫、大阪では2015年8月の山口組分裂以降、神戸山口組が最大勢力だったが、今回初めて六代目山口組が逆転した。六代目山口組の兵庫県内での構成員と準構成員らは160人増の計310人で、県内最多。
捜査関係者によると、2021年秋に、対立する神戸山口組の中核団体・山健組を取り込んだほか、傘下組織の組員の引き抜き工作が進んだことなどが影響しているという。
神戸山口組は前年から半数に減った240人。絆會は40人減の50人にとどまる。
なお去年(2021年)、全国の警察に摘発された暴力団組員らは1万1735人と、平成以降では最少だった。このうち約4割・4496人は六代目山口組だった。また、摘発人数の約8割が山口組、神戸山口組、絆會、住吉会、稲川会などの主要団体だった。