経営コンサルタント、放送ジャーナリストなどで活躍し、俳優・菅田将暉の父でもある菅生新さんが、4月4日放送のラジオ番組『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』(ラジオ関西)に出演。菅田将暉の芸能界入りの秘話などを語った。
その演技力の高さからか、菅田将暉について「子役出身ですか?」と聞かれることが多いそうだが、「息子の俳優としての創業は、たぶん中学2年生の頃」だという。きっかけはその前の年に福山雅治のコンサートを観たときのこと。
「息子が中学1年生の頃、福山雅治さんのコンサートに行かせたんです。初めて芸能人を生で見てきた息子に『どうだった?』と聞いたら、普通は『格好良かった、歌が上手かった』って答えが返ってくると思うが、彼は『気持ちよさそうだった』と答えた。つまり、ステージの上目線で2時間半のコンサートを見ていた。そのとき思ったのが、この子にとって“気持ち良い”と思える環境を作るのが親だということ。その後、息子にいろんな映画や舞台を見せるようにしていたら、1年後には自分で脚本を書いて文化祭の舞台で主演をつとめ、客席から歓声を浴びて気持ちよさそうにしていた。それが中学2年生のとき。あれが彼にとっての芽生え、俳優としての創業だったのかなと」
高校に進学後、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」のファイナリストも経験した菅田将暉。父・菅生新さんの人脈で現在の事務所に所属が決まると、すぐさま、桐山漣とのW主演という形で、仮面ライダーシリーズの1つ、『仮面ライダーW』(テレビ朝日)のメインキャストに大抜擢される。
だが、この話を「一度は断った」と明かす。「勉学に努め、東京で大学生活をしながら演技を学んで、そこから俳優業に打ち込むものだと思っていたので、『いきなり16歳の子どもに?』という思いがあった」と振り返る。しかし「やるからにはやれ! 一蓮托生でお父さんも頑張る」と、親子2人で上京。こうして菅田将暉は2009年にテレビ初出演・初主演という華々しいデビューを果たすと、その後は飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍を続け、いまや最も勢いのある俳優といわれるほど、大きな存在に成長を遂げている。
一方、歌手活動でも「まちがいさがし」が大ヒットするなど、成功をおさめている菅田将暉。それでも、父・菅生新さんによれば「我が家で横綱級に歌が上手いのは、僕と次男。次男は学生アカペラ日本一を2年連続でとったこともあって、いまだに長男(菅田将暉)が次男に歌について相談することもある」と明かした。「でも、長男も上手いし、意外性があるし、ボイトレもしっかりやっていて、聴かせる“ワザ”を持っている。ちょっと前までは紅白などを観ていると心配なところもあったけど、今では安心して観ている。歌手・菅田将暉も大好き」と父としての顔をのぞかせる。
さらに、「彼は理屈っぽい人物を演じることが多いけど、プライベートでも論理的。昔、次男が『何のために勉強するのか』と言ったとき、長男が『将来の選択肢を増やすため』と答えたことがある。それを聞いて、長男は普段から決めぜりふというか、“人に響く言葉”の大切さを意識しているんだと感じた」と、長男を評していた。
番組のなかで、菅生新さんは「自分が父親になったとき、いろいろな本を読んでいたんですが、『子どもに感謝したい』という言葉が印象に残っている。自分も子どもに向かって『ありがとう』と言える人生でありたい。そして、子どももそうあってほしい」とコメント。親としての在り方=「親業」をさらに追求する思いを語っていた。