関西の春の風物詩「桜の通り抜け」が、大阪市の造幣局(大阪市北区天満1)で19日まで開かれている。
2020、21年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、開催は3年ぶり。“今年最後の桜”の見納めに事前予約で訪れた人々は、南門から北門までの約560メートルを歩き、来場者は幻想的なピンクのトンネルで138品種335本の桜を楽しんだ。 夜にはぼんぼりの灯りが桜を照らす。
造幣局では、数多い通り抜けの桜の品種から一種を「今年の花」として選んでいる。2022年は「福禄寿」。東京荒川堤にあった大島桜系の里桜で、花は淡紅色で、花弁は波打つようなしわがあり、花弁数は15~20枚の大輪。今年は新たに「伊予菊桜」「暁鐘」も登場した。
兵庫県尼崎市から訪れた70代の男性は「枝からこぼれ落ちそうなほど咲いていて素晴らしい。人が少なくてゆったりと見られた」と満足げ。神戸市東灘区の40代の女性は「実は、子どもの時に母親と来て以来、30年ぶり。コロナ禍での制約された生活や、ウクライナの戦乱など、何かと気持ちが沈みがちだが、しっかりと咲く桜を観て希望をいただけた」と話した。
造幣局広報・木村幸司さんは「本来ならば、多くの方々に桜をご覧いただきたかったが、最大限できることは何かを考えて、事前予約制ということになった。皆さんゆったりとした気分で、笑顔で帰られる姿を見て、来年はより多くの方々にお越しいただけるようになれば」と期待を寄せた。