女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサは、29日、2021-22シーズンの地元・神戸でのホーム最終戦となった第19節に臨み、サンフレッチェ広島レジーナに3-2と勝利した。これで開幕からの無敗を16として、勝点を44に積み上げたが、2位の三菱重工浦和レッズレディースも勝利したため、優勝決定は5月3日以降に持ち越しとなった。
INAC神戸は序盤から攻勢をかけると、8分にキャプテンのMF中島依美選手のシュートが相手に当たってゴールに入り先手を取る。さらに12分、26分と、エースFW田中美南選手が立て続けにゴール。30分が経たない間に3得点を奪い、広島を突き放す。
しかし、41分、広島のFW川島はるな選手に得点を許すと、後半に入り、流れはアウェイチームに。後半開始早々にもMF上野真実選手にゴールを奪われ、リーグ戦では初の複数失点を喫したINAC神戸。1点差に詰め寄られたなか、そこからしばらくは防戦を強いられ、耐える時間が続いた。それでも、62分にDF西川彩華選手を投入して立て直しを図ったホームチームは落ち着きを取り戻す。追加点こそなかったものの、そのまま逃げ切りに成功。地元・神戸のサポーターと勝利の喜びを分かち合った。
試合後には神戸ホーム最終戦のセレモニーを実施したINAC神戸。選手を代表してマイクの前に立った中島選手は「プロリーグになって、より一層、結果が求められるなか、優勝という目標に向かって残り4試合頑張るので、最後まで応援よろしくお願いします!」と宣言。また、「WEリーグ初代チャンピオンを目指して戦い、あと少しのところまで来た。今日は苦しい試合で、ファンの皆さまの後押しがなければ、もしかしたら星を落としていたかもしれないし、中継で見てくれた方を含めて、皆さまの声援を感じている」という星川敬監督は「もう1回皆さまの前でいい報告ができるよう頑張りたい」と、次戦での優勝決定に向けて気を引き締めていた。
INAC神戸は4日の広島戦(第11節延期分)で引き分け以上の場合、自力で優勝が決定。また、前日の3日に行われるアルビレックス新潟レディース対浦和の試合で、浦和が引き分けか負けの場合も、その時点でINAC神戸のWEリーグ初代女王が決まる。
なお、セレモニー後には、ピッチサイドにINAC神戸OGの澤穂希さんがサプライズで登場。「プロ化して、勝利にこだわって戦っている様子を見させていただきました」とコメントした女子サッカー界のレジェンドは、「失点したシーンもあったとはいえ、最後、勝ち切ったことは、みんなをほめてあげたい」と後輩たちを評価。さらに、5月14日(土)に開催される第21節の浦和戦、東京・国立競技場でのホームゲームで、元なでしこジャパンMF宮間あやさんとともにキックインセレモニーを行うことを自身の口から発表。「久しぶりに、現役のとき以来、ボールを蹴れるということで楽しみにしている」と述べていた。