《大阪教育大附属・池田小児童殺傷事件21年》 児童代表の言葉「当たり前に過ごす毎日、どれだけ幸せか」【全文掲載】 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《大阪教育大附属・池田小児童殺傷事件21年》 児童代表の言葉「当たり前に過ごす毎日、どれだけ幸せか」【全文掲載】

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 大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)で2001年に起きた校内児童殺傷事件から8日で21年となり、犠牲になった児童8人を追悼する「祈りと誓いの集い」開かれた。児童代表の言葉(3人の児童による読み上げ・原文のまま)は次の通り。

犠牲になった児童8人を追悼する「祈りと誓いの集い」<2022年6月8日午前>

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2001年にこの附属池田小学校でつらく、悲しい事件が起こりました。 私は、この学校に入学するまで事件のことを知りませんでした。初めてこの 事件のことを知ったのは、1年生の時に校長室で8人のお兄さん、お姉さんの 写真を見た時です。「命が大切であること」「一人ひとりがかけがえのない大切な存在であること」これは、私が6年間で先輩方から受け継いだものです。 事件の後この学校では、様々な設備や多くの人たちに支えられ、安心して学校生活を送ることができるようになりました。安全科の授業では、自分の身を自分で守ることができるように危険な場所や何か被害にあったらどうすればいいのかを考えてきました。

私たちはこのような事件が2度と起こらず、全国の学校に安心・安全が広がるよう、この事件をいつまでも語り続けていきたいと思います。そして語り続けていくために、後輩たちに安全に過ごすためのルールを伝えていき、附属池田小学校のみんなで声をかけ合って安全に学校生活を送ります。自分の命を大切に、そして周りの命も大切にして精一杯生きていくことをここに誓います。

祈りと誓いという言葉の「祈り」には、亡くなった先輩方のことを心に留め、 これからもずっと私たちの心にいられるように祈りを届けたいという想いが込 められています。

「誓い」には、学校が安全で安心できる場所であるように私たち児童の安全を守ると同時に、互いに支え合い、励まし合いながら成長していこうとする気持ちを持ち続けるという思いが込められています。

私たちは、すべての人々が命の尊さを実感し、安全安心な社会を形成していこ うとする社会を目指したいです。そのために、安全科の授業では、1年生に対しては、安全マップを作成し、自分の身を守ることの大切さを伝えました。私たちは今、未来に夢を持ち、学校で友達と笑い合える毎日が本当に幸せです。事件があったふれあいギャラリーは、私たちの大切な場所であり、「ここで起きたことを記憶にとどめ、学校が安全であるように努力することをここに誓います。」と 書かれています。私たちは、この事件を風化させず、未来へと繋げていくことを ここに誓います。

「祈りと誓いの塔」の8つの鐘の音は、たくさんの夢や希望をもって楽しい学 校生活を送っていた八名の皆さんの切なる声のように、心の奥底に鳴り響いています。尊く、幼い命が奪われたあの悲しい事件。私は、この附属池田小学校で事件について学ぶ中で、当たり前に過ごしている毎日が、どれほど幸せなことで、その幸せな日々が、多くの人に支え、守られていることに気付かされました。 21年前の今日、この場所で起きた悲しい事件によって明るい未来がとざされてしまった8人の大切な命。もう取り戻すことができない8人の大切な想 いを決して忘れることなく、未来へ語り継いでいくことが私たちの役割である と思います。

今、私たちは、附属池田小学校で学んできたことを胸に、新たな一歩を踏み出そうとしています。これからは、私たちが大切な人の命を守っていく番です。多 くの人の幸せを願い、命の尊さを受け継いでいく。そして、私たちが安全で安心 できる社会を築いていくことをここに誓います。

                                             令和4年 6月8日

                                                児童代表

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