兵庫・加東市の播州清水寺、参拝「犬」数が急増 ドッグラン設置やワンコお守り授与が愛犬家にじわりと浸透 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

兵庫・加東市の播州清水寺、参拝「犬」数が急増 ドッグラン設置やワンコお守り授与が愛犬家にじわりと浸透

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 日本遺産・西国三十三所第25番札所の播州清水寺(兵庫県加東市)では、愛犬を連れての参拝を歓迎している。境内にドッグランを設置したり、愛犬の健康長寿を祈祷したお守りを授与するなどの取り組みで、参拝する犬の数が以前より急増したという。

 播州清水寺は、標高552メートルの御嶽山山頂に立つ天台宗の寺院で、推古35(627)年に推古天皇勅願により建立。大講堂に千手観音、根本中堂に十一面観音がまつられている。境内は甲子園球場1.3個分もの広さがあり、桜やシャクナゲ、もみじやイチョウの紅葉など、四季折々の自然を満喫できる。

播州清水寺(写真提供:播州清水寺)
標高552メートルの御嶽山山頂に立つ播州清水寺(写真提供:播州清水寺)

 住職の清水谷善英さん夫妻が大の愛犬家ということもあり、コロナ禍の今、「閉塞感を抱えている世の中だからこそ、山上にある広いお寺の境内を愛犬と一緒に散歩してリラックスしてほしい」という思いを公式SNSなどで発信してきた。

 昨年4月には、昔の僧坊跡に「山のお寺のドッグラン」が完成。寺の支援者や地域の人たちの協力を得て、切り株や石を取り除き、広さ170平方メートルの場所を1.5メートルの木製フェンスで囲んでいる。寺の境内にドッグランが作られたのは全国的に非常に珍しく、ドッグランの中からは、江戸時代から続く歴史ある石垣をパノラマで見渡せる。

 このドッグランの完成が愛犬家に少しずつ広まり、「自然と歴史を感じながらリードなしで自由に走らせることができる」と好評だそう。ドッグランの利用は無料で、飼い主分の入山参拝料だけで楽しむことができる。

「山のお寺のドッグラン」(写真提供:播州清水寺)
「山のお寺のドッグラン」の様子(写真提供:播州清水寺)

 また、愛犬の健康長寿と開運招福を住職が祈祷したオリジナルの「ワンコお守り(福手御守)」が人気を集めている。犬の肉球がモチーフとなっていて、生き物の殺生を避けるため合皮が使われ、職人の手で一つひとつ手作りされている。愛犬を連れた参拝者のほか、公式ホームページのオンライン授与所でも全国の愛犬家から注文が相次いでいる。ワンコお守りは、大(直径50ミリ)2,000円、小(直径40ミリ)1,800円。

オリジナルのワンコお守り(福手御守)(写真提供:播州清水寺)
オリジナルのワンコお守り(福手御守)を身に付けている様子(写真提供:播州清水寺)

 寺を訪れる犬の数は実際に数えているわけではないが、お守りの授与数や境内にある茶屋の店主らの「肌感」で、以前に比べて10倍ではきかないほど増えているという。どこを切り取っても絵になるロケーションだが、特に人気の写真スポット「引退ポスト」には行列ができる。その中にはワンちゃんの姿が。飼い主と愛犬にとって、よい旅の思い出になっているようだ。

※ドッグラン以外の境内ではリードが必要。お堂内への犬の立ち入りはできない。

(写真提供:播州清水寺)
(写真提供:播州清水寺)

◆播州清水寺
【公式HP】

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