神戸税関・第88代税関長に米山徹明氏(58)が就任した。6日の着任会見で「神戸は歴史的なものと最先端なものが共存する街。強さとしなやかさを持つレジリエンスある街」と話した。
米山税関長は愛媛県松山市出身。電気通信大学大学院を卒業後、1989(平成元)年に当時の大蔵省へ入庁、1995年に着任した関税局総務課時代、輸出入がIT化されていない中、関税業務のデジタルトランスフォーメーション (DX)化を進めた。外務省には2度出向、アメリカ(シカゴ日本国総領事館領事)、インドネシア(日本国大使館一等書記官)などを経て、2021年に関税局監視課長として東京五輪に際し、貿易貨物でのテロ関連物資などの取り締まりに従事した。
神戸での勤務は初めて。「港町の雰囲気が漂う歴史あるもの大切に、スーパーコンピューター「富岳(かつての「京」)」や、ポートアイランド・六甲アイランドという海上都市の開発など最新鋭の技術を駆使した土壌が混在するのは、水際での取り締まりとAI(人工知能)の活用といった税関業務と一緒」と述べた。
2022年11月28日は、運上所から「税関」という名称となり150周年。神戸税関も1873(明治6)年に神戸運上所から改称され、神戸港の貿易の繁栄とともに歩んだ。新型コロナウイルスの感染状況も踏まえつつ、記念行事を予定しているという。「インバウンド(訪日外国人観光客)が少しづつ日本を訪れ、クルーズ船などが再び神戸港に入港して活気づいたら」と期待を寄せた。