サッカー・J1のヴィッセル神戸は、9日、明治安田生命J1リーグ第21節で、ジュビロ磐田とアウェイのヤマハスタジアムで対戦する。キックオフ予定は午後7時3分。
蒸し暑い日々が続くなか、中2日でのタイトな日程になるが、ヴィッセルの前節からの先発変更は1人のみで、MFアンドレス・イニエスタ選手らおなじみの面々が名を連ねている。また、前節をコンディション不良で欠場していたDF菊池流帆選手が復帰している。清水戦で劇的な決勝弾を記録したFW大迫勇也選手は今節もベンチからのスタートになった。
前節は清水エスパルスとの下位脱出をかけた直接対決で、土壇場の大迫選手のゴールにより、貴重な勝利をおさめたヴィッセル。勝点を17に伸ばし、得失点差で清水を上回って最下位から抜け出すことができた。ただし、とにかく勝利が必要な状況は変わらず。しかも、今回は1つ上の順位、16位にいる磐田（勝点19）との対戦。この対戦を制して、連勝を3に伸ばすだけでなく、順位もさらに上げていき、J2自動降格圏から脱したいところだ。だからこそ、「チームとして連勝していい流れが来ていると思うので、引き続き先のことを考えずに、目の前の試合を全力で戦って、絶対に勝利して3連勝したい」（山川哲史選手）。
磐田とは5月25日に行われたJ1第15節で対戦。ミッドウィークに行われたホームゲームでは押し気味に試合を進め、好機を作るも、磐田GK三浦龍輝選手の再三の好セーブにあうなど、得点を決め切れず。結局スコアレスドローに終わっている。「前回対戦したとき、ボールを握れたりする部分はあると思うが、最後のフィニッシュの部分で得点できずにスコアレスドローだったので、そこは（今回）チームとしてもう少し攻撃のところでチャレンジしていきたい。いろんなことにチャレンジして、どんどんシュートの数だったりというのは増やしていかないといけないと思う」というのは、今節でJ1通算50試合出場となる、右サイドバックでの成長著しい山川選手。チームとしても、敵地での戦いでもアグレッシブにゴールを求め、「順位も近い相手ですし、アウェイだが絶対に勝点3が必要なゲームになる」（吉田孝行監督）。
清水と同じく、磐田も下位からの脱却を目指して、危機感を持って戦ってくることが予想される。しかも、今回は磐田のホーム。かなり気合いが入ってくることも想像に難くない。前節は後半に運動量が落ち、相手に攻勢をかけられた課題もあるだけに、連戦が続くなか、積極的に奪いにいくのか、ブロックを敷くのか、そのメリハリを持った戦いができるかも、ポイントの1つになるだろう。「90分（走り続けて）行くというのは当然難しいと思う。暑さもあるので。しっかりブロックを組むときと、行くところというのは、ピッチの中で全員が意思統一しないといけないので、中のコミュニケーションがすごく大事」と、試合前日に述べた吉田監督。それでも、ベースは構築しつつ選手の思いを尊重する指揮官は、次のように述べている。
「基本的には監督が、戦術のところはもう僕も結構うるさく言うので、そこに関しては、ベースはもちろんある。ただ、起きている現象や状況というのは、サッカーは相手があるものなので、多少変わってくる。そこの判断というのは個人になっている。例えばおおまかな戦術で明らかに選手の中で意見が分かれるなら、絶対僕が決めるべき。選手全員がこうしたいっていうのがあれば、じゃあ自信持ってやってこいって、後押しするのが自分の仕事。そこはもうケースバイケース。意見が分かれるか一致するかなど、そもそも自分がまず（ベースを）提示はしている」（吉田監督）
チームのモチベーションを高め、ここまで連勝に導いた吉田監督のもと、選手がその思いに応えることができるか。そして、今回も大迫選手がどのタイミングでピッチに入り、勝負をかけるかというところも見逃せない。今の勢いが本物かどうか、それはこの試合にかかっているといっても過言ではないだろう。黒の3rdユニフォームでヤマハスタジアムに乗り込むヴィッセルのイレブンの活躍に注目だ。
◆ヴィッセル神戸 J1第21節ジュビロ磐田戦 メンバー
スターティングメンバー
GK 18 飯倉大樹
DF 23 山川哲史
DF 17 菊池流帆
DF 3 小林友希
DF 24 酒井高徳
MF 15 橋本拳人
MF 5 山口蛍
MF 8 アンドレス・イニエスタ
MF 16 汰木康也
FW 41 小田裕太郎
FW 11 武藤嘉紀
控えメンバー
GK 1 前川黛也
DF 19 初瀬亮
DF 25 大﨑玲央
MF 22 佐々木大樹
MF 31 中坂勇哉
MF 7 郷家友太
FW 10 大迫勇也
