神戸市北区の団地で今月17日に発生した火災で救助活動中、地上約5メートルの高さから女性が転落し、その後死亡が確認された事故で、救助に当たっていた神戸市消防局が21日会見し、女性の死因は焼死で、落下事故によるものではなかったと公表した上で、「あってはならないことで申し訳ない」と、謝罪した。
火災は、今月17日午後4時過ぎ、神戸市北区君影町1丁目の団地3階で発生した。火元の部屋にいた心肺停止状態の女性(56)に1メートル大の三角形の救命器具「縛帯」(ばくたい)を付け地面に下ろそうとした際、女性の左足がベランダに接触してバランスが崩れ、器具から外れた女性が落下、搬送先の病院で死亡が確認された。
会見で、同消防局の濱田宗徳警防部長は「あってはならないことで、大変申し訳なく思っており、あらためて亡くなった女性とご遺族にお詫び申し上げます」と謝罪した。
今後の対応として、同局は、火災や山岳救助の専門家などを交えた事故調査委員会を立ち上げ、原因の検証と再発防止について話し合う方針。また当面の対策として、縛帯に加え、落下を防ぐ安全帯も併用したいとしている。