夏休みに入りました。この時期に各地でクローズアップされるものの一つが“恐竜”です。植物食恐竜・丹波竜の化石の発見でも知られる兵庫県丹波市では、「丹波竜化石工房『ちーたんの館』」で、自由研究にも課題にぴったりの特別展「ティラノサウルス一族の進化~恐竜の王者が君臨するまで~」が、9月4日(日)まで開催されています。
食物連鎖の頂点に立つティラノサウルス、じつは「弱者」だった!? 意外な進化の物語を知ることができる特別展の詳しい見どころを、 丹波竜化石工房 教育普及専門員の朝永悠斗さんに聞きました!
丹波市では、2006年8月、山南町の篠山層群の地層から国内最大級の植物食恐竜(竜脚類ティタノサウルス形類)の化石が発見されました。発見したのは、地層や生痕化石の観察をしていた村上茂さんと足立洌(きよし)さん。「丹波竜」のニックネームで親しまれ、丹波竜をモチーフにして2008年に生まれたマスコットキャラクター「丹波竜のちーたん」もおなじみの存在に。この新属・新種の恐竜は、2014年には「タンバティタニス・アミキティアエ」との学名が付与されました。
丹波竜の化石は、これまでに全体の約30パーセントが発掘されていて、同館内には模型も展示されています。この丹波竜の発掘を機に、丹波篠山市と丹波市にまたがる篠山層群の地層および周辺では、多くの脊椎動物化石が発見されました。同館では、それらの化石にまつわるさまざまな展示を見ることができます。
今夏の特別展では、ティラノサウルスにまつわる歴史や進化の物語を展示。中期ジュラ紀(1億6700万年前)まで遡り、パネルや模型を用いながら紹介します。
目玉は、「タルボサウルス」の全身骨格です。