「神戸市立三宮図書館」が、神戸市勤労会館(中央区)からデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)の2階に期間限定で仮移転。7月26日、通称「KIITO三宮図書館」としてオープンした。“デザイン都市・神戸”の拠点施設であるKIITOのレトロ建築を織り交ぜ、新しさとともに趣に満ちた図書館となっている。
1980年の開館から42年間、勤労会館内で市民に親しまれてきた三宮図書館は、同市が取り組む「都心・三宮再整備」に伴い、同会館とともに6月30日に閉館。今後、2027(令和9)年度完成予定の「雲井通5丁目地区再開発ビル」に移転するまでの間、KIITO内で図書館サービスを行う。
神戸港では、大正から昭和初期にかけて生糸の輸出が盛んに行われていた。三宮の海側にあるKIITOは、1927 (昭和2)年に建設された神戸市立生糸検査所(旧館)を改修した施設だ。
2008(平成20)年に神戸市がユネスコ“デザイン都市”に認定されたのに伴い、創造の拠点として2012(平成24)年に開館。デザインを人々の生活に取り入れ、より豊かに生きることを提案する。デザインやアートにまつわるゼミ、レクチャー、展示、イベントを開催するほか、生糸の検査場跡を生かした広いホールや会議室、ギャラリー、デザインオフィスなどが入居する「クリエイティブラボスペース」がある。
そんなKIITOの2階に移転した三宮図書館は、建物のレトロな雰囲気を織り交ぜたデザイン性あふれる図書館になっており、美術やデザインに関する図書も多く取りそろえている。
中では、子どもたちの好奇心も誘う大きな黄色い球体型の本棚が来館者を迎える。その球体を中心に、子ども向けの図書を展示。球体は中に入れるようにもなっている。周りにはベンチを設置。保護者がゆったりと子どもを見守ることができる。