塩野義製薬は10日、開発中の新型コロナウイルス感染症の経口薬「ゾコーバ錠」(軽症や中等症の患者向けの飲み薬)について、オミクロン株の新たな派生型「BA・2・75」(通称「ケンタウロス」)に対する抗ウイルス効果を非臨床試験で確認したと発表した。
飲み薬は7月、国の緊急承認がいったん見送られ、現在進めている最終段階の臨床試験(治験)の結果を待って改めて審議される。
非臨床試験は、 実験動物を用いて(場合によっては、細胞培養やコンピュータ上のシミュレーションも)有効性・安全性・毒性などを調査するもの。かつて「前臨床試験」とも呼ばれていた。
この結果、有効性が期待でき、安全性にも問題がないとされた場合、臨床試験の段階へ進む。
「BA・2・75」はインドで最初に見つかった変異型で、感染力が非常に強いとされる。 国内では7月12日、神戸市で初めで確認され(検疫を除く)、大阪、東京、愛知などで検出されており、感染拡大が進む「BA.5」から置き換わる可能性もある。
塩野義製薬では、 同じく派生型の「BA.5」と「BA.4」について、7月に同様の非臨床試験で効果を確認している。