「夢のような環境で音楽制作」 ドイツから兵庫県香美町に拠点を移したヴィブラフォン奏者・藤田正嘉さん | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「夢のような環境で音楽制作」 ドイツから兵庫県香美町に拠点を移したヴィブラフォン奏者・藤田正嘉さん

LINEで送る

この記事の写真を見る(2枚)

この記事に関するInstagramを見る

 2019年に兵庫県豊岡市に移住した劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西、木曜午後1時~)に、ヴィブラフォン奏者の藤田正嘉さんが出演。藤田さんも、2020年1月、13年間にわたるドイツ・ベルリンでの生活に終止符を打ち、家族全員で兵庫県香美町に移住。創作活動に励んでいる。

ヴィブラフォン奏者の藤田正嘉さん

 藤田さんは神奈川県茅ケ崎市出身。ジャズが好きな父親の影響で幼少期にドラムをたたき始め、学生時代はバンド活動に夢中に。次第に、電子音楽やアンビエント音楽(環境に溶け込んだ音楽)に傾倒し、自身でも創作したいと考え始めた。

 その時期に出会った楽器がヴィブラフォンだった。

 ヴィブラフォンとは打楽器の一種で、金属の音板がピアノのように配置されており、音板の下にある共鳴管内の空気を振動させて音を鳴らす。ジャズのヴィブラフォン奏者に師事しながら東京で活動するうち、やがて海外で挑戦してみたいという思いに……。2006年、28歳の時に妻とドイツ・ベルリンへ移住した。

「2000年代のベルリンは、東西ドイツが統合して、パリやロンドンに比べてアパート代も安く、『自由解放区』的な雰囲気がありましたよね」と平田さんが語るように、当時は、世界中からベルリンにアーティストが集まっていた時期だった。

 個性的なミュージシャンらに刺激を受けながら、ヨーロッパを中心にコンサート活動を続けていた藤田さんだったが、13年間暮らすうちに、街のエネルギーも成熟期を迎えた。幼少から都市生活に慣れていた藤田さんには、潜在的に「自然に対するあこがれ」があり、3人の子どもの成長も考慮した結果、日本へ戻ることにした。

「妻が『地域おこし協力隊』の存在をネットで知った。当時、skypeなどで面接対応してくれる自治体が少なかった中で、柔軟に対応してくださったのが兵庫県香美町なんです。1度も訪れたことはなかったのですが、決断しました」(藤田さん)

 現在は、標高約500メートルの柤岡(けびおか)地区で活動。かつて保育所だった建物を町から借り受け、防音設備を施してスタジオとして利用しながら、アルバム制作やライブ活動を再開しているという。

 2021年5月に英国レーベルから発表した新作『バード・アンビエンス』は、ベルリン在住時に制作したものだが、ミュージックビデオには香美町の自然が幻想的に映し出されている。

LINEで送る

関連記事