ロシアによる侵攻が続くウクライナ出身の歌手で、同国の民族楽器バンドゥーラ奏者でもあるナターシャ・グジーさんが、9月17日、「希望の大地」と題したチャリティーコンサートを開催する。会場は、兵庫・たつの市総合文化会館赤とんぼ文化ホール。全都道府県を巡るツアーの一環で、コンサートの収益金はすべて国連UNHCR協会を通じてウクライナ人道支援に寄付される。
ウクライナで生まれたグジーさんは1986年、父が勤務していたチェルノブイリ原子力発電所事故により、同原発から約3.5キロ地点で被爆。当時6歳だった。その後転々としながら避難生活を送り、キーウに移住した。60本以上の弦を持つ大型の弦楽器バンドゥーラの音色に惹かれ音楽学校で学び、2000年から日本で本格的に音楽活動を開始。透き通るような美しいソプラノとバンドゥーラの哀愁を帯びた響きで聴衆を魅了し、「ウクライナの歌姫」としてファンを増やしてきた。
今回の公演は、音楽仲間で友人でもある兵庫県出身の作曲家、未知瑠さんがボランティアで主催者となり、有志とともに実行委員会を立ち上げ、実現した。未知瑠さんによると、グジーさんはこれまでもたびたび兵庫県を訪れており、阪神・淡路大震災後、人と防災未来センター(神戸市中央区)で短編映画「葉っぱのフレディ」の楽曲を歌ったことが特に思い出に残っていると話しているという。
グジーさんは「ウクライナは歴史の上でこれまで何度も悲劇を経験してきました。そのたびに立ち上がって乗り越え、今日まで歩み続けてきました。少しでも長く支援していただく第一歩として、ウクライナを知って、好きになってもらいたい。コンサートで想いを寄せてもらえたら大変うれしいです」とコメントしている。
コンサートは午後2時開演。全席自由で一般2,000円、高校生以下1,500円。予約は同ホール、電話0791-63-1322。問い合わせはチャリティーコンサートたつの実行委員会(飯田)、メール(cfu47.tatsuno@gmail.com)もしくは電話080-5707-9877。