兵庫県の斎藤元彦知事が25日、ラジオ関西の生番組に出演し、政府が新型コロナウイルス感染者の全数把握の方法を都道府県の判断で見直せるようにしたことについて、兵庫県として、医療機関や保健所の負担を軽減するため見直しを検討する方針を明らかにした。
コロナの感染「第7波」で、兵庫県内の感染者は8月に入って過去最多を更新し続けている。お盆休みが終わっても明らかな減少傾向はみられず、病床の使用率は70パーセント近くに迫り、重症病床は30パーセントを超えている。このため兵庫県は83床の病床を追加で確保。症状が軽く重症化リスクの低い人を対象に、自主療養制度を導入した。抗原検査キットを配布し感染者自身で検査してもらうことで、医療のひっ迫を回避する狙いがある。すでに1日1万の検査キットを配布できる体制を整えている。
政府の方針では、感染者全員の発症届を、65歳以上や入院が必要な人、重症化リスクがあり投薬が必要な人、妊婦に絞ることができるようにする。ただし全数把握を見直すことになれば、保健所が感染者の状況を十分把握できなくなる恐れがあることから、斎藤知事は切り替える際には、「県が皆さんをフォローできる体制を作っていく」と述べた。
政府が全数把握の変更の判断を都道府県知事に一任した形について、斎藤知事は「本来は国がリーダーシップを発揮していただきたい。知事の判断によって対応がバラバラになるのは感染症の観点からどうだろうか」と苦言を呈した。