無料で世界に一つだけの本を提供する「しるし書籍」姫路大学でこの春に開始したその取り組みとは | ラジトピ ラジオ関西トピックス

無料で世界に一つだけの本を提供する「しるし書籍」姫路大学でこの春に開始したその取り組みとは

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 姫路大学(姫路市)で学生、教職員が使用した書籍を無料で提供する「しるし書籍」の取り組みが行われている。この取り組みを始めたのは同大学教学部、教務・学生・厚生課主査の中村勇樹さん。そのきっかけや、取り組みに込めた思いなどを教えてもらった。

無料で提供されている“しるし書籍”
無料で提供されている“しるし書籍”

 「しるし書籍」で提供されるのは誰かが読み込んで線を引くなどして、“しるし”が入った世界に一冊だけの本。姫路大学でこの4月から始めた取り組みだが、中村さんはどのようなきっかけで始めたのか。「実は、キングコングの西野亮廣さんが始めた『しるし書店』というプラットフォームがありました。“しるし”が入った本を売買するというもので、今ではもうなくなっています。これを大学に置き換えたときに、こうした取り組みが教育の循環にマッチするのではないかと始めました」

 姫路大学には看護学部、教育学部の2学部があり、現在はそのそれぞれに特化したような書籍が主に提供されている。退職された教授から理科や生物に関する書籍や、学生から教員採用試験の過去問が提供されたという事例も。これまでに100冊ほどが持ち込まれ、その8割ほどが既に持って帰られたという。

姫路大学の外観
姫路大学の外観

 学生に対して配信を行うポータルサイトの中で告知をしたり、実際に大学内で掲示板にポスターを張るなどして学生に案内をしている。また、地域住民に対しては、大塩地区の公民館でチラシを置いたり、町内の掲示板に張り出してもらうなどして告知を行う。中村さんは「教員が推薦する書籍や線が引かれた書籍は価値があるものだと思っているので、外に広く発信していき、そのきっかけで姫路大学を知ってもらえれば」と願う。

 しるし書籍ができる前からも地域の人が大学の食堂を利用したり、健康・教育実践研究センターで開校している「笑いヨガ講座」などの参加するなど、地域の人の出入りはあったという。「今後はそうした方が大学を訪れたタイミングで、しるし書籍の利用もしてもらえれば」と中村さん。

地域に根付いた大学を目指す姫路大学
地域に根付いた大学を目指す姫路大学

 続けて、「大学の位置づけとして誰もが自由に学べる環境があってもいのではという思いがあるので、地域の方にも学びを深められる場所が提供できれば嬉しいです。教育機関は何をしているかが外からではわからないことも多い。今の時代はもっと発信していかなければならないと考え、身近な人に中を知ってもらう一つのきっかけになれば」と話していた。

 しるし書籍は姫路大学1号棟2階のインフォメーションコーナーで、平日9:00~17:00、土曜日9:00~13:00に手続き不要・冊数制限なしで利用できる。

 最後に中村さんは、「姫路大学は姫路市の大塩地区に位置しています。地方大学だからこそ私どもは地域に根付いた、ひらけたような大学を目指しています。地域住民の方にも気軽に利用いただければ幸いです」と呼び掛けていた。

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