最近、香り・コク・苦味などにこだわった個性的な味わいを楽しめるクラフトビールの人気が高まっている。兵庫県の淡路島には、「あわぢびーる」という淡路島唯一のクラフトビールが存在する。製造しているユーアールエー株式会社(淡路市)の広報担当・三澤綾音さんに話を聞いた。
あわぢびーるは明石海峡大橋の開通と同年である1998年から販売を開始し、商品やパッケージのリニューアルを重ねて今に至る。現在販売中のフレーバーは「ピルスナー」、「レッドエール」、「ヴァイツェン」、「アルト」、「ペールエール」「島レモン」の6種類。「ビール好きにおすすめなキリッとコク深い味わいのものから、ビールが苦手な方にこそ飲んでほしい飲みやすいものなど幅広く楽しめます」と三澤さん。
生産・製造においては徹底した温度管理に気を付けているという。非加熱処理を行うことで生きた酵母の味わい、ビール本来の美味しさと香りを最大限に引き出すが、非加熱処理の酵母は常温になると発酵してしまう。生きた酵母のおいしさを保つため、配送から販売まで常に冷蔵庫での管理を行っている。そして、贅沢に麦芽を100%使用し、麦汁作りから発酵、瓶詰めまですべての工程を職人が管理。麦汁の製造時には約20キロもの麦芽を運ぶというが、こうした力の必要な作業も手作業で行っている。
さらに、淡路島の海の音をビール酵母に聞かせながら醸造する独自の「アイランド製法」を用いて作られ、歴史ある審査会・インターナショナルビアカップ2018では「ピルスナー」が金賞、「アルト」が銅賞と同時受賞をした。6種のフレーバーそれぞれに個性があり、選ぶ際に迷う人も多いようだが、「いっしょに楽しまれるお料理との相性の良さでお選びいただくのがおすすめ」と三澤さん。続けて、「もちろん純粋にお好みや気分でお選びいただいてもいいですが、選ぶ楽しさ、飲み比べる楽しさがあるのもあわぢびーるの魅力です。淡路島にお越しくださいと言いたいところですが、ご自宅などでも淡路島を感じていただける商品ですので、ぜひお気に入りの味を見つけてもらえれば」と話していた。
あわぢびーるはユーアールエー株式会社が運営している淡路ハイウェイオアシスの「淡路島物産館」というお土産販売エリアのほか、ビール工房である「Awaji Brewery」、淡路島島内の土産店やスーパーなどで販売されている。