プロ野球・阪神のOBで野球解説者の岡田彰布氏が、3日に放送されたラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』にゲスト出演。過去に監督を歴任していたときのエピソードや、今シーズンの阪神、そして、ドラフトに関する話などを語った。
9月20日に収録された今回の放送の中で、自身の監督時代について問われた岡田氏。「阪神のときは優勝して受けたので。2003年のリーグ優勝のときはサードコーチにいたが、その流れで選手の能力は把握できていたのでスムーズな就任だった。(2010年に就任した)オリックスのときは、選手の力量が全然わからなくて、ある程度、選手たちの力を把握しているコーチには残ってもらったりしていた」と振り返る。
番組内ではパーソナリティーを務める阪神ファンの林歳彦氏(会社経営者・環境活動家)から、現役当時の質問を多く受けていたが、日本一になった1985年の伝説のシーン、ランディ・バース氏、掛布雅之氏、岡田氏の三者連続バックスクリーンへのホームランについてや、現役時代のチーム状況などにも、フランクに答えていた。
選手、スタッフとして長年携わってきた阪神を近年は解説者として見てきた岡田氏だが、今シーズンのチームについては、開幕前から「(前年まで抑えを務めた)スアレスが退団した穴を埋められないだろうなというのがあり、今年はしんどいだろうなと思った」。その予感は現実のものとなり、開幕から9連敗するなど前半戦は苦戦の連続だった。「僕も(選手時代に)9連敗を経験したことがあるけど、シーズンの途中で連敗すると取り返すために無理をするが、開幕からの連敗だとそんなに無理もできない。開幕2か月くらいは本当につらい期間だったと思う」と、自身の経験を踏まえながら、選手・スタッフの心情をおもんぱかる。それでも「力は全般的にあるから」と、矢野燿大監督体制の集大成となったチームを評価。その阪神は結局、交流戦や後半戦で盛り返し、68勝71敗4分けという成績で3位に入り、クライマックスシリーズ進出を果たしている。
一方、10月といえばドラフト会議の季節ということもあり、放送の後半ではドラフトの話題も。セパ両方の監督を経験している岡田氏は、DH(指名打者)の有無がドラフト戦略に大きな影響を与えていると語る。
「打てるけど走れない、守れないという選手はセ・リーグのリストにはあまり入らない。でも、バッティングがすごい良いけど(守備は)ちょっと……という人がパ・リーグでドラフト1位になったりすることもある。そのあたりはDH制の有無が関係していると思う」
そんな岡田氏は、監督時代のドラフト会議について、抽選では「1勝9敗」と苦い思い出も。2010年のオリックスでは、1位指名の入札を3回外したこともあった……。そんなこともあってか、「くじ引きはフロントが引いてほしいと言っていた」と明かす。「今は10月頃だけど、昔はドラフトを日本シリーズのあと、11月頃にやっていた。そのときは、もう監督は1年間の運を使い果たして充電切れという感じなので……」。
放送では、岡田氏が当時、ユニークな発想を持っていたことも吐露。「ドラフト会議の期間だけ運の強い人がフロントと契約して、球団社員としてくじ引きして、良い選手を取れたら成功報酬を渡すのもいいんじゃないかと。もし募集したら絶対応募が殺到しそうじゃないですか?(笑)」。実際に日本ハムや楽天などが、監督ではなく球団代表などフロントの人間がくじをひき、注目選手を引き当てていることなども例にあげながらドラフトについての持論を語っていた。
なお、岡田氏は次回の10月10日放送回にも続けて出演。そのなかでは、自身のこれまでの歩みについて語る予定だ。