女子バレーボール・Vリーグ1部(V1女子)のヴィクトリーナ姫路が、12日、2022-23シーズンのV1開幕を前に、姫路市内で記者会見を行い、上位進出への意気込みを語った。
V1で4シーズン目を迎えるヴィクトリーナ。12チーム中、1年目は12位、2年目は10位、3年目は11位という成績だったが、飛躍を期して、新たな戦いに挑む。
チームは、女子日本代表などでの経験も豊富で、ヴィクトリーナでは2019年からゼネラルマネージャーを務めていた安保澄氏が新監督に就任。日本代表に名を連ねる宮部藍梨選手を獲得したほか、昨シーズンの得点源であるオランダ代表のセレステ・プラク選手と再契約を行うなど、戦力を整備。また、負傷で長期離脱を強いられていたキャプテンの荒谷栞選手や松本愛希穂選手といった主力の復帰のめどもたったようで、上位入りへの期待が高まる。
5月31日から本格的に新シーズンの活動を始めたなか、今夏のV ・サマーリーグ女子西部大会でベスト4に入るなど、リーグ戦開幕に向けて調子を上げているヴィクトリーナ。V1では「ベスト8入りが目標」と安保監督。チームは10月29日の開幕に向けて準備を進めている。
記者会見で、安保監督は「コート内外で自律的に働けるかが、目標達成に重要。ここまで日々ゴールを設定して考えるバレーを続けて成果をあげたなか、開幕までの2週間を迎えられている。いい戦いをお見せしたいが、不十分な戦いのときには叱咤激励をしてほしい」とあいさつ。また、キャプテンの荒谷選手は「新監督のもと、新たな取り組みをたくさんして、確実に力をつけてきた。その成果を発揮し、今までやってきたことに自信を持ってリーグに臨みたい。また、チームのスローガンは『突破』ということで、V1でこれまで下位という現状を『突破』し、一人ひとりの壁を打破するなど、ヴィクトリーナが『突破』する姿を見せていきたい」と意気込みを語った。
そして、ヴィクトリーナは、チームの上位進出を後押ししようと、スポンサーの協力を得て、斬新な試みも行う。姫路市が建設を進めている新アリーナが完成する2026-27シーズンまでの5シーズンを対象期間として、初優勝した場合、「優勝祝い金」1億円の契約を、地元企業5社(グローリー株式会社、大和工業株式会社、株式会社ノバック、株式会社117、佐和鍍金工業株式会社。1社あたり2000万円)と合意したことを発表した。さらに、ノバック社との契約で、初優勝時には選手・スタッフを対象とした「ハワイへの優勝旅行」もプレゼントされることになったほか、練習場については姫路市に工場のある株式会社ダイセル(本社:大阪市)の協力をとりつけ優先利用契約を締結したこともあわせて明らかにしている。
チームを運営する株式会社姫路ヴィクトリーナの代表取締役球団社長・橋本明氏は、「少しずつチーム、会社としては前進していけるように、今シーズン、監督が目指す目標達成のため、チーム・フロント一丸となって頑張っていきたい」と述べていた。
この特別な祝い金の話について「V1で戦ううえで優勝したい気持ちはあるが、それに対してスポンサー様がそこまで支援していただいていただけるのに、とても感謝しているのと、驚きと、両方の気持ち」と、率直な思いを語った荒谷選手。チームメイトとは「優勝してハワイ旅行に行こう!」という話をしたという。質疑応答で記者から優勝したときの祝い金の使い道を問われた際は、「優勝したご褒美として、自分になにかを買いたいと考えつつ、額が大きすぎていまいち自分でもピンときていない……まだそこまで考えていなかった(笑)」と照れ笑いを浮かべつつ、記者の再度の問いには「なんですかね……車でも買おうかなと思います!」と明かしていた。
ヴィクトリーナは2022-23シーズンのV1開幕戦で、10月29日に、岡山シーガルズとアウェイのジップアリーナ岡山で対戦する。また、ホーム開幕戦は、11月12日、姫路市のヴィクトリーナ・ウインク体育館で、久光スプリングスを迎え撃つ。