ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)12月5日放送回では、「2022-23 Yogibo WEリーグ」第5節、INAC神戸レオネッサ対ちふれASエルフェン埼玉(EL埼玉)戦をプレイバック。番組パーソナリティーで元Jリーガーの近藤岳登が、INAC神戸の先制点につながった右サイドのプレーについて持論を交えながら解説した。
4日に行われた一戦では、INAC神戸が3-0で勝利。前半の8分にMF成宮唯選手のゴールで幸先よく先制したINAC神戸は、その後、EL埼玉の連動したハイプレスに苦しんだものの、後半に入って持ち直す。すると、62分にコーナーキックの流れからFW高瀬愛実選手(※高=はしごだか)が貴重な追加点を記録。終了間際の89分には途中出場のFW浜野まいか選手にうれしい今シーズン初得点も生まれた。試合後のヒロインインタビューでは、浜野選手が、「ちょっと小さい声で言っていいですか……(大声で)『ブラボー!』」と、「FIFAワールドカップカタール2022」での日本代表DF長友佑都選手の名せりふも披露し、会場をわかせていた。
この試合で近藤がセレクトしたのは、INAC神戸の右ウイングバックに入ったDF守屋都弥選手が序盤に見せたプレー。かつてヴィッセル神戸のサイドバックとして活躍した“情熱の男”が絶賛した。
「前半5分の動きをみんなにもう1回見てもらいたいんだけど、守屋選手のボールのもらい方が素晴らしい! 相手DFの裏を通してほしいから、一度、中にうわーっとダッシュしていくんだけど、これがダメだなと思ったら、急に“膨らむ”のよ。それに対してボールが出てきて、クロスというシーンがあったんだけど、あの動きはなかなかできない」と、DF土光真代選手からパスを受ける瞬間、守屋選手が軽く右外に開く動きを見せ、右クロスにつなげたことに注目した近藤。「サイドで自分の欲しい場所というのがあるから、自分の欲しい場所に向かってダッシュして行くか、ダメだったらたぶん止まるか、そのダッシュする角度をちょっとだけ変えるということはできるんだけど、守屋選手は、そこで“膨らんだ”のよ。この動きを見て、『うわっ! とんでもない選手になってきたな』っていうのを、もう前半の5分で感じた。この動きができれば、バリエーションがさらに増えると思うよ」と、INAC神戸の背番号2の成長ぶりに感心の様子。
また、近藤は、動き出しの部分だけでなく先制点を呼び込んだ守屋選手のプレー選択にも注目する。
「守屋選手がギリギリまでボールをさらして、相手が食いついたところでボールの角度を変えて切り返したが、どうやって左足でクロスを入れるんだろうと思っていたら、グラウンダーのめっちゃ速いボールを左足で入れた。びっくりしたし、むちゃくちゃ面白いアイデアだと思う。普通、あの場面なら、中にクロスボールを入れるとき、(味方の)ヘディングとか相手の頭越しを狙ってパスを出すから、切り返したボールを左足で浮かしたりするもの。でも、あの守屋選手のプレーは、ディフェンスも予測できないと思う」。高瀬選手のゴール前でのポストプレーや成宮選手のゴールが生まれる契機となった巧みなグラウンダークロスについても、近藤は称えていた。
前半に限らず、後半にもチャンスを演出する右クロスや、果敢なサイドからの突破などを披露し、勝利に貢献していた守屋選手。近藤はこの試合の「陰のMVP」に推すとともに、「カンジョさん(朴康造監督)も右サイド、守屋選手も右サイド、俺も右サイド(が専門)というのもあるけど、守屋選手はどんどん成長しているのかなと思うし、その様子を見ることができている。今後がすごく楽しみな選手」と、さらなる活躍に期待を寄せていた。