21世紀の秘密基地!? 『養父市地域おこし協力隊』が仕掛けるプロジェクト 「行政と距離近いのが魅力」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

21世紀の秘密基地!? 『養父市地域おこし協力隊』が仕掛けるプロジェクト 「行政と距離近いのが魅力」

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 劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、養父市地域おこし協力隊の松井喜雄さんが出演。大阪を拠点に、現在も映像制作の仕事をしている松井さんが養父市に移住した経緯について語った。

養父市地域おこし協力隊の松井喜雄さん(写真右)、番組パーソナリティの平田オリザ(同左奥)、田名部真理(同左手前)

 きっかけはドライブだったという。ミュージシャンの友人が猟師になって養父市に移住したと聞き、遊びがてら訪れたところ自然豊かな風景に魅了された。聞けば、市内には廃校になった校舎や使われなくなった施設が複数あり、安価で借り受けることもできるという。

 大阪を拠点に、数十年映像制作に携わっていた松井さんは「ここならドローンを使ったイベントやドライブインシアターなど、映像を使ったチャレンジができるのでは」とアイデアが浮かんだ。地域おこし協力隊の存在もここで知ったのだそう。

 地域おこし協力隊には、求人の段階で自治体側から具体的な活動内容が示されている「ミッション型」と、隊員自身で課題を見つけてミッションを決める「フリーミッション型」がある。

 当時、養父市では『秘密基地プロジェクト』というフリーミッション型の枠に空きがあった。松井さんは自身のスキルを活かし、「映像を媒介とした地域の文化・人・情報をつなぐ場所を創る」プロジェクトを提案。見事採用され、2021年1月に養父市へと移住した。

 現在は、兵庫県の“ゲンジボタル保護区”に指定されている奥米地の自然や生き物について学べる体験型学習施設「めいじキララ」を拠点に活動。配信も可能な映像スタジオを設置し、外壁を使ったドライブインシアターイベント、さらにはヘリテージマネージャー(地域に眠る歴史文化遺産を発見し、保存・活用して地域づくりに生かす能力を持った人材)として「ネッテイ相撲」のアーカイブ化に取り組んでいる。

「ネッテイ相撲とは、奥米地にある水谷神社で行われる神事のことを指し、平安時代から伝わるものです」という松井さん。さらに、プロジェクトの現状についても語ってくれた。

「現代の相撲の原型ともいわれていますが、相撲というよりは宮司役と舞い手2人からなる『型』のようなもの。県指定文化財でもあるのですが、高齢化が進み、担い手がいない。正確に伝承するために映像アーカイブとしてのこす作業を進めていたところ、先日3人のうち1人が仕事でけがをしてしまって……」(松井さん)

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