神戸市民の憩いスポット、メリケンパーク(神戸市中央区)に天然芝の広場がオープンする。今月18日、甲子園球場で開催されたアメリカンフットボールの全日本大学選手権決勝「甲子園ボウル」で使われた芝生をパークの多目的広場に移したもので、広さは約2600平方メートル。利用は無料で、来年2月から入場できる。広場の周囲にはベンチや公衆トイレもあり、誰でも気軽に楽しめる。
芝生の移設は、学生らで作る「甲子園ボウルSDGsプロジェクト」(神戸市)が発案し、芝の育成管理会社「チュウブ」(鳥取県琴浦町)、パークの指定管理者「神戸港“U”パークマネジメント共同事業体」(神戸市)と協力、移設などにかかる費用をクラウドファンディングで募り、実現した。毎年、甲子園ボウルが開催される1日だけ、球場内野に敷かれる芝生を再利用したいというSDGsの観点から、今回の計画が進められた。
神戸港“U”パークマネジメント共同事業体によると、ボール遊びやピクニックなどはもちろん、団体利用として事前申し込みを行えば、運動会やスポーツイベントにも利用できる(団体利用は有料)。
23日、現地で芝生の移設完了セレモニーが開かれ、最終ピースが植えられた。参加したチュウブの小柴雅央社長は「鳥取で生まれた芝が甲子園ボウルという大きな仕事を終え、ここメリケンパークで最終的に根を下ろすことができたこと、たぶん芝生も喜んでいると思う」と、満面に笑み。神戸港“U”パークマネジメント共同事業体の幹事会社、「早駒運輸」(神戸市)の渡辺真二社長は「素晴らしい取り組み。この青々とした芝生で子どもたちが寝そべったり、遊んだりするのを想像すると、うれしくなります」と話した。
利用についての問い合わせは、神戸港“U”パークマネジメント共同事業体、電話078-321-0085。芝生移設のクラウドファンディングは、CAMPFIREで12月30日まで実施している。詳細はCAMPFIREのプロジェクトページで。